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【ドル円週間見通し】ウクライナ紛争終結なら円買い圧力後退

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、8月25日~8月29日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、26日のプーチン露大統領とポロシェンコ・ウクライナ大統領との首脳会談や日本と米国のインフレ率に注目する展開となる。首脳会談で、ウクライナ紛争の終結期待が高まった場合は、リスク回避の円買い圧力が後退することになる。また、日米の金融政策の乖離観測や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額への期待もあり、ドルの下値は限定的と予想される。

【プーチン露大統領とポロシェンコ・ウクライナ大統領会談】(26日の予定)
 ウクライナと親ロシア武装勢力との武力衝突が激化しつつあり、欧米によるロシアへの懲罰的追加制裁、ロシアによる報復措置などで、欧米とロシアの対立も激化しつつある。

 プーチン露大統領は、「ウクライナ軍と親ロシア派武装集団の戦闘停止に全力を尽くす」と述べており、ポロシェンコ・ウクライナ大統領との会談が注目されている。

 ウクライナ紛争が終結した場合、リスク回避の円買い圧力が後退することになる。首脳会談が決裂し、ウクライナ東部での紛争が激化した場合、リスク回避の円買い圧力が強まることになるが、第2次冷戦の構図からは「有事のドル買い」となる可能性にも警戒することになる。

【米国のインフレ率】(29日)
 米国の7月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+1.5%と予想されており、6月の+1.5%からの横ばいが見込まれている。米国のインフレ率が上げ渋る展開となっていることで、米国連邦準備理事会(FRB)の低金利政策の長期化が予想される。

【日本のインフレ率】(29日)
 日本の7月のコア消費者物価指数は、前年比+3.3%と予想されており、6月の前年比+3.3%からの横ばいが見込まれている。日本銀行は、4月の消費増税の影響を+1.7%と試算していることで、実質的なコアインフレ率は、前年比+1.6%となる。

 消費増税の影響で、日本の4-6月期の国内総生産(GDP)が落ち込んでおり、インフレ率も上げ渋っていることで、日本銀行金融政策決定会合への追加緩和圧力が高まる可能性に要警戒か。

【中東の地政学的リスク】
 オバマ米大統領がイラク北部のアルカイダ系の武装組織に対して限定的な空爆を実施し、ドイツとイタリアがイスラム国と戦うクルド部隊に武器の供与を表明したことで、中東全域での地政学的リスクが高まりつつある。イラクが内戦に陥った場合、原油価格が上昇することで、原発稼動停止で原油輸入の依存度が高い日本経済にはマイナス要因、貿易赤字の拡大により円安要因となる。

 8月25日-29日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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