朝日新聞の虚報を執筆した植村隆記者が挺身隊と慰安婦を混同したのも、国連人権委員会の「クマラスワミ報告」にある性奴隷20万人という数字も、元を辿れば千田氏の著作に行きつくのだという。それでは、ラバウルにおける「1日380人相手」説には信憑性があるのだろうか。
「ラバウルでそのようなことがあったという文献や他の証言は私の知る限り存在しません。そもそも1日380人を相手にするとなれば、女性は1人につき4分弱で24時間相手しなければならない。あまりに非現実的です」(西岡氏)
日本の専門家や研究者であれば、情報の出所を聞けば信憑性が判断できる代物なのだが、中国や韓国内でそのような疑問を呈したメディアはない。
自分たちに都合がいい他国の報道をそのまま引用して、内容を検証することなく大騒ぎする──その構図は朝日の記事を引用する形で“慰安婦問題”を世界に拡散した過去のやり方とまったく同じだ。韓国メディアには自分で取材する能力さえないのか。
※週刊ポスト2014年9月12日号