だが、不安要素も潜む。急激な拡大路線と多角化がローソン本体の体力を疲弊させてしまわないかということ。成城石井の買収金額も364億2000万円、負債を含めた総額は550億円にのぼるとみられている。決して安い買い物ではない。
「サントリーに移籍したカリスマ経営者、新浪剛史氏からバトンを受けた玉塚元一社長は、『リスク管理は万全、投資余力は残している』と言っていますが、自分の実績を早く出したいと焦っているようにも見えます。
事実、今後5年で3000店にすると意気込むナチュラルローソンは関東以外ではあまり受け入れられず苦戦している状況。さらなる消費増税も控える中、成城石井のMD(商品政策)を間違えば、ローソンとの相乗効果も薄れてしまいかねません」(経済誌記者)
ローソンは先日屋号の消滅が発表されたダイエーの100%子会社「ダイエーローソン」がはじまり。拡大路線がアダとなったダイエーを反面教師に、小売業界の再編をどう進めていくのか。その真価が問われている。