白石隆浩死刑囚
神奈川・座間市のアパートにおいて9人を殺害し、死刑が確定していた白石隆浩死刑囚(34)の死刑が6月27日に執行された。秋葉原通り魔事件・加藤智大元死刑囚(当時39)への2022年7月の執行から2年11か月ぶりとなる。【前後編の前編】
事件は2017年10月30日、白石死刑囚の住む座間市のアパート内から複数の男女の遺体が発見されたことから発覚した。同月24日、被害者のひとりに対する行方不明届を高尾署が受理しており、捜査の過程で失踪間際に被害者が白石死刑囚とSNSで連絡を取り合っていることがわかった。当日、署員が自宅を訪問したところ、当初は「知らない」と答えていた白石死刑囚だったが、その後まもなく「金と性欲目的で9人を殺害した」と告白。室内に置かれたクーラーボックスから人体の頭部が発見された。
2020年9月から東京地裁立川支部で始まった白石死刑囚に対する裁判員裁判では「起訴状の通り、間違いありません」と全てを認め、同年12月、死刑が言い渡された。弁護人は控訴を申し立てたが、本人がこれを取り下げ、2021年1月に死刑が確定していた。
確定判決によれば、白石死刑囚は座間市内のアパート自室で男性1人、女性8人を殺害し金品を奪い、その遺体を損壊し遺棄した。女性に対しては性的暴行を加えている。殺害方法はすべて同一で「頸部を手で絞めて失神させたのち、性交のうえ、居室内ロフトに上がるはしごにロープをくくりつけ、輪を作り、その輪に被害者の首を通して吊り下げ、頸部を絞めつけて窒息死させた」(東京地裁立川支部初公判起訴状)という。
死刑囚は確定後の面会が厳しく制限されるが、確定前は第三者との文通面会が基本的に可能である。東京地裁立川支部での裁判員裁判が始まる2年前、2018年10月から翌年1月にかけて白石死刑囚は筆者との面会で、犯行の詳細を語っていた。