ビジネス

住宅ローン空前の低金利 固定・変動の最新シミュレーション

最低水準の住宅ローン金利をうたう大手銀行

 住宅ローン金利が史上最低の水準となっている。

 返済期間が35年以下の長期間固定金利型「フラット35」(住宅金融支援機構)は、10月の最低金利が1.65%となり、3か月連続で過去最低を更新。大手銀行の10年固定金利型も9月に比べて若干上がりはしたが、みずほ銀行で1.25%、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行は1.3%と、引き続き低金利を保っている。

 さらに、半年ごとに金利が変わる変動金利型の住宅ローンは、大手で0.7%台。ソニー銀行やイオン銀行に代表されるネット・流通系銀行の中には0.5%台という超低金利を設定しているところもあり、これから住宅購入を考えている人にとっては絶好の“買い時”といえる。

 では、空前の低金利時代に「固定」「変動」、どちらの金利タイプを選択するのが賢いのか。

 現在の金利だけみれば、毎月の返済額が抑えられる変動にするのがベストだが、住宅評論家の山下和之氏は「20年、30年という長いタームで考えると、長期固定金利型のローンが安心」と話す。

「少なくても1年程度は現在と同程度の低金利が続くと思いますが、消費税の再引き上げが実施され、その後も景気が順調に拡大して消費者物価が1%から2%近くになれば、金利も上がってきます。

 いまの超低金利が5年後、10年後に上昇する可能性が高いと考えると、毎月の返済に余裕がない人が変動金利型を利用すると残債アップのリスクが極めて大きくなります。

 それよりも、基本性能面で優れた『フラット35S』の適用を受けられる物件を取得すれば、35年返済でも1.65%が当初10年間は0.3%引き下げられて1.35%になるなど、長期固定でも負担を軽減できます」(山下氏)

 金利が上昇していくと、どのくらい返済額が増えていくのか。実際に山下氏にシミュレーションしてもらった。

【借入金3000万円/35年元利均等・ボーナス返済なしの場合】

●変動金利型/金利0.775%(メガバンクの例)
・当初5年間の毎月返済額=8万1576円

<5年ごとに金利が0.50%上昇した場合>
・6年目以降 金利1.275%の返済額=8万7606円
・11年目以降 金利1.775%の返済額=9万2900円

<5年ごとに金利が1.00%上昇した場合>
・6年目以降 金利1.775%の返済額=9万3904円
・11年目以降 金利2.775%の返済額=10万5183円

●全期間選択型10年/金利1.30%(メガバンクの例)
・当初10年間の毎月返済額=8万8944円

<11年目以降、金利が0.50%ずつ上昇した場合>
・金利1.30%の返済額=8万8944円
・金利1.80%の返済額=9万4313円
・金利2.30%の返済額=9万9875円
・金利2.80%の返済額=10万5628円
・金利3.30%の返済額=11万1568円

●全期間固定選択型/金利1.65%(フラット35Sの例)
・当初10年間の毎月返済額=9万円
・11年目~35年目の毎月返済額=9万3000円

関連キーワード

関連記事

トピックス

詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
【伊東市・田久保市長が学歴詐称疑惑に “抗戦のかまえ” 】〈お遊びで卒業証書を作ってやった〉新たな告発を受け「除籍に関する事項を正式に調べる」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
《不動産投資会社レーサム元会長・注目の裁判始まる》違法薬物使用は「大きなストレスで…」と反省も女性に対する不同意性交致傷容疑は「やっていない」
NEWSポストセブン
女優・福田沙紀さんにデビューから現在のワークスタイルについてインタビュー
《いじめっ子役演じてブログに“私”を責める書き込み》女優・福田沙紀が明かしたトラウマ、誹謗中傷に強がった過去も「16歳の私は受け止められなかった」
NEWSポストセブン
告示日前、安野貴博氏(左)と峰島侑也氏(右)が新宿駅前で実施した街頭演説(2025年6月写真撮影:小川裕夫)
《たった一言で会場の空気を一変》「チームみらい」の躍進を支えた安野貴博氏の妻 演説会では会場後方から急にマイクを握り「チームみらいの欠点は…」
NEWSポストセブン
中国の人気芸能人、張芸洋被告の死刑が執行された(weibo/baidu)
《中国の人気芸能人(34)の死刑が執行されていた》16歳の恋人を殺害…7か月後に死刑が判明するも出演映画が公開されていた 「ダブルスタンダードでは?」の声も
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン