ビジネス

ローソンで人気爆発のコロッケ 40代女性が一番多く購入

 市場規模10兆円の巨大産業に成長したコンビニエンス業界。小売業に逆風が吹く中で成長を続けてきたコンビニも、今や全国に5万店超。いよいよ飽和状態か、頭打ちかと囁かれている。新たな成長源をいかに見つけることができるのか。課題を抱えたコンビニの今後を占うヒット商品を作家の山下柚実氏がリポートする。ここでの題材はローソンが発売する2ヶ月で1200万個売れた「おかず」コロッケの「ゲンコツコロッケ」だ。
 
 * * *
 コンビニの揚げ物といえばまずは若い男性が好むスナックやおつまみ、といったイメージが染み着いている。
 
「私たちの課題は、そのイメージを書き換えることにありました。4年ほど前から試行錯誤を続け、コロッケも3回目のトライでした」とローソンカウンターFF部シニアマーチャンダイザーの梅林寛仁氏(40)は少し厳しい表情をして言った。
 
 どんなイメージに書き換えようと?
 
「おかずです」
 
 主婦がわざわざ買いにくるような、おいしい「おかず」「惣菜」を提供できないか。それが課題でした、と梅林氏。
 
「例えば冷凍食品で最も人気が高いコロッケですが、これまでは価格ばかり意識されてきた。安いんだからこの程度の味で仕方ない、みんながそう思い込んできたのです。でも本当においしいコロッケとは何なのだろうか」
 
 原点に立ち戻って考えた。
 
 おいしさを決めるのは、「味」だけではない。「食感」も重要な要素になる。普通、冷凍コロッケは芋を潰してから固めて作る。揚げた時に「形が崩れない」ことが最優先されてきた。いわば、効率を考えた製造工程だった。
 
「しかし、当然ですがそれでは芋の素材感、感触は伝わりにくい。芋のおいしさは、ごろごろと塊が混ざっていた方がリアルに表現できるはず」
 
 たとえ店頭で揚げた時に形が崩れるリスクがあったとしても、固形を残して素材感を際立たせる方を選択した。
 
「これも他社には無い、独自の加工法でした」

  家庭の味を「狙った」のではなかった。そうではなく、「おいしいコロッケ」という本質的な価値をとことん追究したら、家庭の味に行き着いてしまったということだ。
 
「狙い通り、40代の女性が一番多く購入してくださっています。原料が限られていて今のペースだと年内に売り切れてしまうのが残念ですが」

 手作りコロッケ──かつて家庭にあって、しかし今、家庭から消えてしまったもの。そこに、ヒット商品が生まれてくるエアポケットが存在しているのかもしれない。

※SAPIO2014年11月号

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン