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65歳までの年金強制徴収 実現すれば60歳退職者に悲惨な事態

 サラリーマンはこの10月支給の給料から、天引きされている厚生年金保険料がまた増える。具体的には保険料率が0.354%(労使合計)引き上げられて、諸手当を含めた月給が30万円の人の場合、毎月の給料から天引きされる額が531円増えることになる。

 現役世代は2017年まで、毎年秋に行なわれる国民年金や厚生年金の保険料アップ、さらなる受給額カットにより大きな負担を強いられることがすでに決まっている。その上今後は、これまで「逃げ切り世代」と思われていたすでに退職した世代、年金をもらい始めている世代にも厳しい時代がやってくる。

 10月1日、東京・半蔵門にあるホテルの会議室で開かれた社会保障審議会年金部会。そこで大きな制度変更の方針が決まった。現行は60歳までとなっている「国民年金保険料の納付期間」が、65歳まで延長されることになる。年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が指摘する。

「政府・厚労省は、納付期間を65歳まで延ばせば年金月額が約8000円増えるとメリットばかりを強調し、来年の通常国会での法改正を目指しています。しかし、5年間で100万円近い保険料負担増になる。

 政府は企業に65歳までの雇用延長を義務づけていますが、60歳でリタイアを選択する人もいます。65歳までの強制徴収が実現すればリタイアする人は収入がないにもかかわらず、保険料を5年間支払い続けなければならない悲惨な事態を迎えることになります」

※週刊ポスト2014年10月24日号

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