言いたい放題でひとり悦に入る安倍氏の言葉に、厳しい質問を切り返すこともなく、うなずくだけの各社キャップの姿は喜劇でしかない。きっと“総理と高級店でメシを食ってるオレ”に自分でうっとりしていたのだろう。こんな体たらくだから大メディアは安倍政権の追及に後ろ向きだ。
読売は22日付朝刊1面トップで〈政府・与党 停滞国会解消へ全力 野党抵抗 重要法案に遅れ〉とブチ上げた。追及する野党の攻勢で〈法案審議は政府・与党の想定よりも遅れており(中略)今国会成立が厳しくなってきている〉と報じ、早々と追及の手仕舞いを呼びかけた。
日経も同日、編集委員が〈みんなして「政治とカネ」に迷い込む危うさ〉と題したコラムを電子版に掲載。〈肝心の政策論議をほったらかしにして、大臣の首を取ることに熱中している〉として野党の姿勢に疑問を投げかけた。なぜ大新聞はこうも安倍政権に甘いのか。
冒頭のオフ懇の会食費は、1人1万円はくだらない。通常、総理との懇談会費用は「官房機密費か、時に首相の事務所から支出されることもある」(官邸関係者)という。
各社の官邸キャップは安倍首相から高級中華を奢ってもらったのか? 内閣記者会に取材すると、「質問に答える義務はない」と回答を拒否した。スキャンダル大臣と同じ反応なのが笑える。
※週刊ポスト2014年11月14日号