国内

厚労省が民間の保険料負担増検討 対象外の官僚との格差拡大

 給料から天引きされるため、サラリーマンにとって健保の保険料は「毎月、いくら支払っているのか」が意識されにくい。役人はそこを突いてきた。「増税」のようなわかりやすい手段ではなく、コッソリ保険料率を上げることで民間に重い負担を押しつけておきながら、官僚だけは安い保険料と至れり尽くせりの特権を享受しているのだ。

 10月15日に開かれた厚労省の社会保障審議会医療保険部会では、官僚用語でいう保険料の“負担見直し”、つまり「負担増」が議題に挙がった。サラリーマンの保険料を引き上げることは検討されたが、なぜか務員の健康保険(共済組合)だけ値上げ議論の対象に挙がっていないのだ。

 厚労省は「部会では当省が所管する健康保険法の改正を議論している。だから、同法に基づいて設立・運営されている協会けんぽと健保組合が議論の対象だが、財務省が所管する国家公務員共済組合法に基づく共済組合は議論しない」(保険局保険課)と答えた。

 この国の「官民格差」はえげつない。公務員は保険料率アップの検討対象から外れただけではなく、そもそも料率が民間に比べて格段に低い。主要省庁の共済組合の保険料率は以下の通り。

●財務省:8.17%
●総務省:8.18%
●経済産業省:8.32%
●文部科学省:7.89%
●外務省:7.40%

 これら各組合を統括する国家公務員共済組合連合会(KKR)の平均保険料率は8.20%にとどまる。

 対して、中小企業サラリーマンが加入する協会けんぽの保険料率は平均10%。都道府県別で最も高い佐賀県だと保険料率は10.16%になる。大企業サラリーマンが加入する健保組合の平均は8.64%。約1400の組合で保険料率にばらつきはあるが、すでに11%を超えるところが22組合ある。

関連キーワード

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン