この保険料率の差が現実の生活にどれほど影響を与えるのか。社会保険労務士の先山真吾氏の協力を得てシミュレーションした。
月収25万円のサラリーマンの場合、健康・介護・厚生年金保険料を合わせた保険料全体の天引き額は現在、月額3万7913円。賞与分も含めた年間の保険料支払い額では60万6608円になる(東京都の場合。ボーナスは1回あたり2か月分として試算、以下同)。
月収35万円のサラリーマンなら月額は5万2495円、年額で83万9920円。月収45万円なら月額6万4161円、年額102万6576円の保険料を支払う。
一方で、たとえば文科省の役人の場合、月収25万円だと保険料の月額は3万4013円。年間での保険金支払い額は54万4208円となり、民間との差額は年6万円以上になる。もちろん給与が上がれば上がるほど格差は広がり、民間と役人が同じ月収35万円だとすると、年額で8万6400円の差。月収45万円になると、差額は10万5000円に広がる。
「多くのサラリーマンはいま、社会保険料のアップと給与の目減りというダブルパンチに見舞われて、生活を切り詰めざるを得ない状況に追い込まれている。それだけではありません。社会保険料は会社も同額を負担しており、経営の大きな圧迫要因となっている。それが賃金上昇を抑制している面もあります」(先山氏)
※週刊ポスト2014年11月28日号