だが、スカイマークにとっては、改めてじっくりと相手を選ぶ時間は残されていない。2015年3月期の最終損益は過去最大となる136億円の赤字を見込み、9月末時点の手元資金は45億円しかない。
「財務内容だけ見たら、このまま年内を持ちこたえられる保証はない。JALから年80億円が入ってきたとしても、厳しい状況に変わりはない」(航空業界アナリスト)
しかも、スカイマークには最大の懸案事項が残されたままだ。エアバスからの違約金問題という過去の清算だ。前払い金としてエアバスに払った253億円は特別損失に計上される見通しだが、それとは別に巨額の損害賠償請求を起こされたら、会社は一気に吹き飛んでしまう。
「JALやANAも共同運航などで支援はしても、エアバスの違約金まで肩代わりする余裕はないはず。最悪の場合、スカイマークが破綻する可能性もゼロではありません。そうなれば、業務提携どころではありません。
ただ、エアバスも払えない金額を要求するつもりはないはず。スカイマークのパートナーとなる企業のメドが立てば、そこに航空機納入の確約を取り付けて違約金を減額するなど、交渉の中身が変わってくることも考えられます」(前出・赤井氏)
まさに「まな板の上の鯉」状態に追い込まれているスカイマーク。存続できたとしても、その先にある再建シナリオが、消費者にとって良いサービスを享受できないものであるなら、まったく意味がないはずだ。