監禁暴行の被害女性はW不倫の相手と別れ話で揉めていた(写真提供/イメージマート)
警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ベテラン刑事が携わった事案のなかでも、指折りの呆れた母親に関する事件の顛末について。
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東京で当時3歳の長女を8日間、マンションに置き去りにして餓死させるという事件が起こったのは2020年6月。発見された女児の胃の中には、飢えて食べたらしい紙が見つかり、汚れたおむつで下半身はひどくかぶれていたという。母親は当時の交際相手の元に行き、女児を自宅に放置。母親自身、壮絶な虐待を受けていたというが、子供が置きざりにされる事件は後を絶たない。
事件がおきれば人を逮捕するだけでなく、子供らを保護することもある。警視庁の強行犯係で働いていたベテラン刑事O氏が、捜査した数々の事件の中でもっとも呆れたという事件も子供が絡んでいた。「あるヤクザが事務所の当番に中学生を使っていたので、児童を危険有害支配下に置く児童福祉法違反でそのヤクザを逮捕したというのもアホな事件でしたが、これはその上をいくいような呆れた事件でした」という。
それはW不倫の末、女が相手の男に暴行を受け監禁されたという事件だ。「当時30代で保育園に通う2人の女の子の母親が、ある日、宅配会社で働く20代の妻子ある男とできてしまった。そこから逢瀬を重ね、どんどん深みにはまっていく。旦那は仕事で出張が多く不在がち。男は宅配会社で働いていたので女の家に頻繁に来訪しても、近所には怪しまれない。2人にとって好都合な条件が重なっていた。女は子どもたちを寝かしつけては、男を家に連れこみ関係を続けていたようで、旦那に気付かれないよう、最初のうちは子どもたちの面倒をしっかりみていた。だけど、そのうち子供より男が大事になっていったんでしょう」(O氏)。子供たちの面倒はおざなりになっていく。
女が男に夢中になっていくのと逆行して、優しかったはずの男は横暴で暴力的になっていった。「別れ話はもつれにもつれ、W不倫の関係はぎくしゃくしていく。男が別れを切り出せば女が泣いてすがり、女が別れをほのめかせば男が暴力でそれを阻止する。最後には女が男に監禁され、暴行されて連れ回された。そこでようやく女は目が覚めたんでしょう」とO氏。