ライフ

マイペースなシニア増加 世間体を気にしない世の中が理由か

 星霜(せいそう)を重ねた人生の大先輩は、若い世代の手本である。しかし我が国では最近、公共交通機関やコンビニ等でエラそうにする高齢者が眉をひそめられる例が増えている。病院でも我が物顔に振る舞う高齢者は少なくない。20代の看護師がいう。
 
「待合室のエアコンの設定温度を勝手に変更するお年寄りが多くて困っているんです。高齢になると体温の調節機能が落ちてきますから暑がりの人もいれば、寒がりの人もいる。温度は病院側が設定するから重ね着や薄着で対応してほしいと張り紙をしてあるのに、勝手にリモコンを操作してしまうんですよ」
 
 そのような「周りを気にせず我が道をゆく」タイプの高齢者がなぜ増えたのか。社会学者で甲南大学准教授の阿部真大氏は「個人の性格だけではなく、社会の変化が背景にある」と、こう分析する。
 
「マイペースな行動をするシニアが増えた背景として、『世間体』を気にしなくていい世の中になりつつあるということがあると考えられます。
 
 かつて祖父・祖母から孫までが一つ屋根の下で暮らしていた時代は、『子供が見ているから、しっかりしたおじいちゃん、おばあちゃんでいなくてはならない』という意識を強く持っていた。子供が世間に迷惑をかけるようなことをしたら、叱るのは祖父母の役目でもあった。公園や道路で近所の子供が悪さをしていたら『やめなさい』と諭すのも地域の高齢者だった。
 
 しかし、核家族化が進み地域のつながりが希薄になった今は、そういった意識を持たなくても良くなった。社会的背景が、『周囲が見えない』『配慮ができない』シニアを作ってしまった面がある」

※週刊ポスト2014年12月12日号

関連キーワード

トピックス

茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された
《水戸市・31歳ネイリスト女性死亡》「『誰かのために働きたい』と…」「足が早くて活発な子」犯人逃走から6日間、地元に広がる悲しみの声
NEWSポストセブン
浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化
《声をかけて寄り添って》浅田真央と村上佳菜子の“断絶関係”に変化 沈黙から一転、見られていた「雪解けの予兆」
NEWSポストセブン
新宿の焼肉店で撮影された動画が物議(左は店舗のInstagramより、右は動画撮影者より提供)
《テーブルの上にふっくらとしたネズミが…》新宿・焼肉店での動画が拡散で物議、運営会社は「直後に殺処分と謝罪」「ねずみは薬剤の影響で弱って落下してきたものと推察」
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された秋篠宮家次女・佳子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀で見せた“ハート”》佳子さま、“お気に入り”のエメラルドグリーンドレスをお召しに 刺繍とハートシェイプドネックがエレガントさをプラス
NEWSポストセブン
元仙台高裁判事の岡口基一氏
「裁判所当局が嫌がった核心は白ブリーフだった」 弾劾裁判で法曹資格を失った岡口基一氏が振り返る「岡口裁判の急所」とは 裁判所と司法記者クラブの問題点も指摘
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された皇后雅子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀の“ブルーリンク”コーデ》皇后雅子さまはスタンドカラーでフォーマルに、愛子さまはマオカラー風で親しみやすさを演出
NEWSポストセブン
ネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された水戸市のアパート
「赤ちゃんをかばおうとしたのか…」「複数の凶器で犯行」水戸市で死亡のネイリスト女性(31)がかつて警察に相談していた“人間関係トラブル” 
NEWSポストセブン
1995年、チャリティーゴルフ前夜祭に参加した“ジャンボ”こと尾崎将司さん(左)と長嶋茂雄さん
【追悼・ジャンボとミスターの物語】尾崎将司さんと長嶋茂雄さん、昭和のスポーツ史に名を刻んだレジェンド2人の重なる足跡 ライバルと切磋琢磨し、後進の育成に取り組んだ
週刊ポスト
松田烈被告
「スマホから『映してください』と指示の声が…」ネットで“性的暴行してくれる人を募集”した松田烈被告(28)、被害女性が語った“外道すぎる犯行”
NEWSポストセブン
真美子さん(共同通信)が使用していたブランドとは
《ハワイ・ファミリーデートで真美子さんが持っていたプチプラバッグ》「同年代インフルエンサーのアスレジャーブランド」か?と話題に 実用性の高いトートバッグ、大谷は「娘のベビーカー担当」
NEWSポストセブン
郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「奥羽山脈周辺に“異常変動”が集中」「千葉県が大きく沈降」…2026年初めに警戒すべき5つの地域
週刊ポスト
ジャーナリストの溝口敦氏(左)とフリーライターの鈴木智彦氏
《溝口敦氏×鈴木智彦氏が対談》山口組抗争終結後の暴力団 勝ったはずの六代目山口組含めて勢力は縮小、トクリュウのほうが経済規模も大きく勢いがある現状
週刊ポスト