ビジネス

【日本株週間見通し】衆院選議席数予想が市場の方向性に影響

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の12月1日~12月5日の動きを振り返りつつ、12月8日~12月12日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。連日で年初来高値を更新しており、先週末から6営業日続伸となった。名実ともに師走相場入りとなった先週は、週初から強い値動きをみせている。原油先物相場の下落のほか、7-9月期の企業による国内の設備投資額が前年同期比5.5%増だったことが好感された。また、為替市場では1ドル119円台に乗せてきたことも先高期待が高まったようだ。さらに、幻だった11月SQ値(17549.60円)をクリアしたことで上へのバイアスが強まったほか、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など年金資金の流入との観測もあった。

 1日の米国市場は、感謝祭の小売売上高が前年比11%減となったことが嫌気され、小売関連株に売りが広がった。また、米格付け会社ムーディーズは1日、日本国債の格付けを「Aa3」から「A1」に1段階引き下げており、これを受けて幅広い銘柄に利益確定の売りが先行。しかし、日銀によるETF(上場投資信託)買入れが下支えとなるなか、悪材料には反応を示さない状況に。

 もっとも、日銀によるETF買入れやGPIFによる買い観測の中、物色は自動車やハイテク等の主力処が中心。一方で新興市場の中小型株などには利益確定の流れが次第に強まっており、日経平均の上昇の割には、手掛けづらさも窺えた。

 今週は5日の米雇用統計の結果を受けてのスタートとなろうが、悪材料にも下げない需給状況の中、日経平均は節目の18000円を目指すことになる。テクニカル面からは下振れも警戒されており、18000円到達で達成感が強まる可能性はある。ただ、ここにきてやや慎重姿勢も増えてきており、楽観的なムードが薄まる中で、大きな調整はなさそうである。

 また、週末には衆院選の投開票を迎える。日経新聞社が行った世論調査では、衆院定数475議席のうち、自民党は300議席をうかがう勢いと伝えている。与党優勢は想定されているが、安倍長期政権への思惑から政策関連への物色に向かわせよう。今週にはより議席数の予想などが頻繁に出てくると考えられ、これが市場の方向性に影響を与えよう。

 そのほか、週末には先物・オプションSQを迎える。これが通過することで、翌週からは海外勢はクリスマス休暇に入る。ただし、選挙の結果、政策期待などから参加者は減らない可能性はありそう。そのほか、今週からIPOが本格化する。足元で中小型株の弱さが目立っていたが、IPO参加に備えた換金売りもあったとみられ、今年1番のパフォーマンスを求め思惑的な動きも出てくることになるだろう。物色は次第に個人主体にシフトしてくることになりそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
国仲涼子が語る“46歳の現在地”とは
【朝ドラ『ちゅらさん』から24年】国仲涼子が語る“46歳の現在地”「しわだって、それは増えます」 肩肘張らない考え方ができる転機になった子育てと出会い
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン