国内

安倍首相 FBのヘイトスピーチ放置し批判書き込み者ブロック

 衆院解散前日、安倍晋三首相の側近、萩生田光一・自民党総裁特別補佐が在京民放キー局の自民党記者クラブキャップを呼び出し、選挙に対して偏りのない報道を求める文書を手渡していた。この事実が後に発覚、政権による言論統制ではないかと物議を醸した。

 安倍首相にとって、自身のフェイスブック(FB)への書き込みさえ言論統制の例外ではない。

 首相のFBは〈臭金屁(習近平)の醜男ッぷりを世界にさらすことができましたね〉〈北京原人を射殺してください〉といった支持者と思われる人物によるヘイトスピーチが溢れている。

 ところが、首相はそうした見るも無惨な低レベルの書き込みをそのままにしている一方で、ヘイト発言を批判したり、安倍政権の政策に疑問を呈す書き込みをした人のアカウントを片っ端から排除している。

 衆院解散後、〈特定秘密保護法、集団的自衛権、原発、派遣法につき、安倍さんは間違っていると思う〉〈選挙の争点は有権者である国民が決める〉という内容の書き込みをしたある有権者は、突然、書き込みがブロックされた。

 別の有権者は、FBのコメント欄のヘイトスピーチについて指摘したところ、その後、「あなたには閲覧する権限がないため、表示できません」と表示され書き込みも閲覧もできなくなった。一方のヘイトスピーチは削除されず残っている。

 首相のFBは国民(外国人も)が直接、トップに意見を伝えることができる「目安箱」といえる。批判の声があれば正対するのが「首相の器」だろう。

 それを自分に都合がいい意見に酔い、批判を門前払いするやり方はこの政治家の器の小ささだけでなく、危険な暴君になりつつあることを物語っている。メディアへの圧力も、自身のテレビジャックも、そしてネット統制も、すべて北朝鮮や中国の一党独裁政権がやっていることと重なる。

※週刊ポスト2014年12月19日号

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン