注文ロットは最低でも10、多いものは40とある。かずのこなら12kg、なますは10kg、黒豆は24リットル単位で仕入れなければならないことになり、さすがに業務用らしい取引量だ。発注する側が数百食単位のおせちを作ろうとしていることがわかる。食材はいずれも「冷凍マイナス18度以下」での保存が必要と書かれている。
この内部資料に記された数量と単価をもとに売れ筋とされる3万円おせち(3~4人前)の原価を試算した。
伊達巻は18cmの冷凍品が530円で1切れ約50円。3切れなら約150円となる。海老の旨煮(3尾、約200円)、味付き数の子(3本、約500円)、イクラの醤油漬け(50g、320円)、花餅(3個、360円)、紅白かまぼこ(4切れ、60円)、味付きくわい(3個、120円)……といった具合に定番の22品目を足し合わせると約7400円。
それに重箱の中央に配されるロブスター(1尾、約730円)を足すと原価は約8000円となる。さらに鮑の割烹煮(1個、980円)のような高級食材が入ってくる商品は販売価格が押し上げられる。
※週刊ポスト2014年12月26日号