芸能

佐村河内守氏 八方塞がりでも反撃に打って出る構えも見せる

 現代のベートーベンと話題になった佐村河内守氏(51)だが、あの騒動以降自宅付近でもまったく姿を見せないという。コンサート企画会社からは約6100万円の損害賠償請求の裁判を起こされ、CD出荷やネット配信はすべて停止。JASRAC(日本音楽著作権協会)からの使用料も途絶えている。

 そんな八方ふさがりの佐村河内氏だが、反撃に打って出る構えも見せている。

 今年8月、放送倫理・番組向上機構(BPO)に対し、『アッコにおまかせ!』(TBS系)で人権侵害があったとして申立書を提出し、10月21日に審理入りが決まっている。問題となったのは、3月9日の放送分。佐村河内氏の会見を紹介しながら「本当は耳が聞こえるのではないか?」と疑問視した。

 申立書では、「視聴者に『聴覚障害者であるかのように装って記者会見に臨んだ』との印象を与えた」などと主張している。

「TBSは、会見時に佐村河内氏がスタッフからペンを渡される際、通訳のほうを見ずに応対する様子や、手話通訳が訳し終わる前に話し始め、記者に突っ込まれたところを強調して放送していた。感音性難聴だと主張する佐村河内氏にとって“普通に聞こえている”と視聴者に思わせる内容は許せなかったのでしょう」(テレビ局関係者)

 BPOがこの訴えを認めれば、佐村河内氏の追い風になる。これまで「偽装障害」と報じたメディアに一斉に損害賠償請求を起こす可能性もある。しかし、名誉毀損裁判などに詳しい落合洋司弁護士はこの見立てに否定的だ。

「BPOに申し立てをする場合は、民事裁判で名誉毀損に訴えても勝てなそうだったり、訴訟を起こすハードルが高いと考えている場合が多い。プライバシー侵害でマスコミを訴えることもできるが、仮に認められたとしても賠償額はそれほど高額にはなりません」

 佐村河内氏の代理人である山縣敦彦弁護士も「今後、マスコミなどを相手に訴訟を起こす予定は今のところない」と話す。会見で「訴訟を起こす」と名指ししていた新垣氏についても「特に訴訟準備はしていない」(同前)という。分が悪いと判断しているのか。

 ゴーストライターだった新垣氏は、今やテレビや雑誌に引っ張りだこ。一方の佐村河内氏は訴訟も仕事も先が見えない。日なたから日陰へ、日陰から日なたへ。運命共同体だった2人の明暗は、くっきりと分かれた。

※週刊ポスト2014年12月26日号

関連キーワード

トピックス

二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
4月3日にデビュー40周年を迎えた荻野目洋子
【デビュー40周年】荻野目洋子 『ダンシング・ヒーロー』再ヒットのきっかけ“バブリーダンス”への感謝「幅広い世代の方と繋がることができた」
週刊ポスト
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン