月曜朝にここまで大きく上昇するはっきりした理由はわからないが、おそらくニューヨークの取引時間で買えなかった投資家が、アジア市場のスタート時に買おうとする動きが集中するからではないだろうか。

 冬時間の場合、ニューヨーク株式市場は日本時間の朝6時にクローズする。FXは、業者にもよるが多くは土曜の朝7時まで取引できるので、条件がそろっていれば株式市場のクローズから為替市場のクローズまでの1時間を利用して買いポジションを持つのだ。

 このとき、株取引で言う引成のような感覚でクローズする直前に機械的に注文してもいいのだが、羊飼いはこの1時間の値動きをにらみながら、できるだけ有利なポジションを持つように心がけている。

 というのも、クローズまでの最後の1時間は、意外と値動きが激しい時間帯だからだ。株式市場が高値で引けるとドル買いの動きが強まって大きく上昇することもあるし、利益確定の売りで思わぬ下落を見せるタイミングもある。うまくすればこの間に新規買いから決済まで回転できることもあるし、有利な押し目を拾えるチャンスも訪れるのだ。また、クローズ間際は取引が集中してスプレッドが広がることもあるので、これを避けたいというのも理由の一つだ。

 基本的にポジションは長く持つほどリスクは高まるので、月曜の朝を迎えたらなるべく早く決済したいところだ。といっても、月曜朝の取引開始時間もFX業者によって異なっており、多くは7時にオープンするが、6時や7時10分というところもある。そうした中で、サクソバンクFX証券だけはとびぬけて早く、3時にオープンするのでなるべく早く決済したい人は注目だ。ちなみに口座を開設しなくても3時からのレートを見ることはできる(いずれも冬時間の場合)。

 羊飼いは持ち越しのルールに従って朝一番で決済したら、少なくともその日の東京市場の時間帯にはもう取引しないことにしている。ギャップアップした後に、さらに上に行くこともあれば、反落して窓を埋めることもあり、予測が難しいからだ。

 言うまでもないが、この持ち越しのルールは100%成功するわけではない。「材料出尽くし」となって思惑が外れ、下落することもある。それでも、成功率はかなり高く、羊飼いにとっては鉄板のルールだ。

 この手法は必ずしも円安局面でなくてもいい。強い円高トレンドがあって、ニューヨーク株式市場が大きく下落しているようなときには、週明けのドル/円相場は窓開けによる大幅下落も期待できるだろう。

※マネーポスト2015年新春号

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