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金田正一 国鉄時代の主食はバターごはん目玉焼きに納豆混ぜ

 プロ野球勝利数400勝の金田正一氏、350勝の米田哲也氏、320勝の小山正明氏、日本球界における勝利数ベスト3による史上初となる鼎談(ていだん)が行われた。終戦後の食糧不足の時代だったにもかかわらず「食べる」ことの重要性を知っていたことが、長く活躍できた理由だという。食べ物のない時代に、3人はどのようにして体作りをしていったのかを、語りあった。

金田正一(以下、金田):3人に共通するのは「走る」「投げる」の重要性を知っていたこと。つまり「智恵」があるヤツが勝ってきたということだ。その意味では「食べる」ことも同様だな。

 ワシは国鉄に入団して最初に取り入れたのが、温かいご飯にバターをまぶして、これに目玉焼きをのせ、納豆を混ぜたものを主食にしたこと。こればかりは親方日の丸の国鉄だったことが幸いした。寮が国鉄の官舎で物資部があって、あの食べ物のない時代に苦労しなかったからな。

小山正明(以下、小山):食は大切、パワーの源。僕も食べる楽しみしかなかったね。カネさんとは違って、この年になるまで女遊びは好きじゃないし。

金田:それが最近はアソコがビクともせん。

小山:若い時に使いすぎ。

金田:悲しくなるから野球の話に戻そう。

米田哲也(以下、米田):子供の頃の主食はサツマイモが入ったおかゆでした。

金田:えらい貧乏な家に育ったなァ。

小山:戦後はそんなものよ。

米田:その代わり実家が海に近い(鳥取県米子市)ので魚はよく食べましたね。地引き網にサバとかが掛かって大漁になると、鐘がカーンカーンと鳴って年寄りや子供まで網引きに駆り出される。そこで足腰が鍛えられたし鮮魚ももらって帰れた。塩サバ、それにじゃこもよく食べたから、骨が丈夫になったと思います。

小山:今の時代は寿司でもほとんどが養殖の魚。僕たちの時代は天然モノばかりで養殖なんておらんかった。今の食事は化学調味料たっぷり。体作りの面で影響も少なからず出てそうやね。

米田:それにしても、300勝を超えた投手はほとんど弱いチーム出身ですやん。国鉄、阪急、阪神、それに鈴木啓示(317勝)の近鉄……。

金田:ロクな投手がおらんからなんぼでも投げられる。

小山:それに耐えたことも誇りに思うね。

※週刊ポスト2015年1月16・23日号

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