これが、誰もが知る1度目のブレークだ。そのまま「一発屋」と呼ばれる芸人として人生を終えるはずだった彼がもう1度売れたのは、これもあまりにも有名、2007年当時人気絶頂だったお笑いコンビの品川庄司・品川祐に「おしゃべりクソ野郎」という、それ以外考えられないアダ名をつけたことがキッカケだった。
つまり有吉の売れ方は、「顔が売れる」のと「人気を確立する」というのは別物であり、そういう意味で2度売れないと生き残れないことを証明しているのではないだろうか。
これは他の芸人でも説明できる。「キモかわいい」で売れたアンガールズ田中卓志は、そのまま消えるかに思われたが、「本当にキモい」で再び売れてからはバラエティー番組には欠かせない存在として定位置をキープしているし、「キモい」つながりで言えば、NONSTYLE井上裕介は、2008年『M-1グランプリ』(テレビ朝日)で最初に世に出たあと、「ナルシストキャラ」「スーパーポジティプシンキング」で2度売れた。
M-1チャンピオンで言えば、アンタッチャブル山崎弘也も、優勝直後は柴田英嗣同様、キャラに迷走していたフシがあったが、今や師と仰ぐくりぃむしちゅーの有田哲平をも超えるテキトーキャラで地位を確立している。