ビジネス

日本発の文化築く缶コーヒー 技術と味の進化に珈琲通も唸る

 日本のコーヒー文化が究極の進化を遂げている――。

 もともとコーヒーは古く中東経由でヨーロッパ諸国から伝わったものだが、米国を中心にスターバックスやタリーズなどシアトル系コーヒーチェーンが世界を席巻。コーヒー豆を深煎りしてコクや香りを高めたものが主流になったため、近年、日本でも1杯の値段は少々高くても“味”にこだわりを持つ消費者が増えた。

 そして今、コーヒーの品質を追求する新たな潮流が生まれている。

「豆の産地や農園を明示し、それぞれの豆に合った分量や焙煎方法でこれまでにないプレミアムなコーヒーを提供しようという動きです。喫茶店ブームの復活とばかりに『○○珈琲』と名のつく専門店が数多く出店しているのも、より本格志向の消費者ニーズを汲み取ろうとしているからです」(フードコンサルタント)

 コーヒーのプレミアム化の流れは飲食店ばかりではない。日本発のアイデアで、いまや年間3億ケース(1ケース約30本換算)と世界一の生産量を誇る「缶コーヒー」の進化も目覚ましい。

 全国清涼飲料工業会の資料によると、世界初となる缶コーヒー飲料が日本で発売されたのは1969年で、翌年に開かれた大阪万博に登場して話題をさらったという。それまでは瓶入りや紙容器入りの「コーヒー牛乳」が売られていたが、新開発の缶コーヒーはレギュラーコーヒーから抽出したコーヒーに乳分を加えたものだった。

 万博から半世紀以上たった今でも、缶コーヒーはブラックや微糖など種類の豊富さや、自動販売機の普及で季節に合わせてアイス・ホットも選べる身近な存在として、日本独特のコーヒー文化を築いてきた。

「日本を訪れると必ず缶コーヒーを飲んで、お土産にも買って帰る」(米国人男性)と絶賛する外国人も多いが、ここまで日本の缶コーヒーが支持されているのも、技術力に裏打ちされた味の“深化”があったからに他ならない。前出のフードコンサルタントがいう。

「豆に熱湯を注ぐドリップ製法は、すぐに飲むならまだしも缶コーヒーにすると香りが逃げてしまいます。そこで、各社は豆を細かく砕いて濾過したり、蒸気をあててエスプレッソ製法のように香りを抽出したりと、あの手この手の開発競争を繰り広げてきました」

 その結果、缶コーヒーも淹れたてと変わらぬ風味を実現。プレミアムなジャンルの商品が数多く発売されるようになった。

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト