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イチロー ナ・リーグ移籍でシーズン進めば存在感増すと予測

 ヤンキースをFA(フリーエージェント)となったイチローが、マイアミ・マーリンズと1年契約で合意に達した。だが、マーリンズ入りが報じられた直後から、新天地で待ち受ける試練を指摘する声が多くあがった。

 マ軍でのイチローの“定位置”は「第4の外野手」となる可能性が高い。昨季の本塁打王ジャンカーロ・スタントン(25)と13年総額3億ドル超のメジャー史上最高額で契約を延長。

 さらに昨年初のゴールドグラブ賞に輝いたクリスチャン・イエリッチ(23)、23ホーマーを放ったマーセル・オズーナ(24)がいる。この一角を崩すのは至難の業で、イチローは「使い勝手のいい控え外野手」に甘んじるというのが大方の予想だ。地元記者からは、出場機会を増やすため「一塁コンバート」を薦める声も出ているほどだ。

 ヤンキース時代は、安定した数字を残しているにもかかわらずベンチを暖めることが多かったイチロー。日本のファンにとって悪夢のような事態がまた繰り返されるなら、この移籍は朗報とはいえない。

 しかし、J-SPORTSでMLB中継の解説を務めるジャーナリストの出村義和氏は、「マ軍はイチローのスタイルにフィットするチーム」と前向きに評価する。

「DH(指名打者制)のないナ・リーグでは、試合の終盤にダブル・スイッチ(※注)が頻繁に行なわれる。控え野手の登場は必然的に増える。若手の有望株が揃うとはいえ、イチローほど高いレベルで守備をこなせる選手はそういない。存在感はシーズンが進むに連れて増していくでしょう」

【※注】ダブル・スイッチ/投手と野手を同時に交代することで、投手の打順を遅らせる作戦のこと。

※週刊ポスト2015年2月6日号

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