しかし、すんなりANAの傘下入りとはいかない事情もある。
「ANAはピーチやバニラエアのほか、エアドゥやスターフライヤー、スカイネットアジアなど中堅の航空会社に出資しているうえに、スカイマークまで経営権を握れば日本の空は2社の寡占から1社独占になりかねない。なによりも、新規航空会社の参入と自由競争を促してきた国交省のメンツが丸つぶれになる」(経済誌記者)
有森社長とともに会見に同席した井出隆司会長も、ANA、JALとの共同運航はしたいとしながらも、<第三極として残るためにファンドと事業計画を立てている。寡占化すれば運賃は上がる>と、あくまでも自主経営に含みを見せた。
「海外の航空会社の中にもスカイマークの持つ羽田の36枠を欲しいところはたくさんある。エアバスの違約金問題の傷が浅く済めば、第三極の新たな連合体ができてもおかしくない」(前出・業界関係者)
民事再生の適用で何とか運航は続けられることになったスカイマークだが、予断を許さない状況は続く。スカイマークの再生の行方によっては、日本の空で新たな業界再編が起きる可能性も十分に秘めている。