国内

精神鑑定で使用の「ロールシャッハ・テスト」 何がわかるか

「人を殺してみたかった」、そんな殺害動機を語る猟奇的な殺人犯による事件が近年目立つようになってきている。こうした殺人犯に責任能力があるかを判断する際に用いられる手法の一つが、『ロールシャッハ・テスト』だ。映画やドラマでも耳にするこのテストとはいったいどんなものなのだろうか?

『ロールシャッハ・テスト』は、絵を描かせて精神を診断するのではなく、インクを落としてできたような模様から、何を連想するかというのを聞き出し判断するテストをいう。

 染みのような左右対称のこの模様は、無作為に作られたもので、特に何かをイメージして描かれたわけではない。

「このような10枚の模様を順番に見てそれぞれ何に見えるか、そしてどうしてそう思ったのかを質疑応答を通してチェックするのがこのテストです。

 蝶や鳥、中には両手のひらと答える人もいるかもしれません。しかしこれもまた、他の多くの鑑定方法と同じで、“蝶に見えればOK、鳥に見えたらダメ”といった類いのものではありません」(精神科医)

 無作為で答えがない模様な分、逆に深層心理が出やすいといわれている。

「『ロールシャッハ法における言語表現の分析方法』という論文によると、例えば“鳥かな? でもなにに見えるかよくわからない”と回答を曖昧なままにしたり、“ずたずたに引き裂かれた蝶”“血を流した鳥”といった表現があった場合には、攻撃性などが認められる場合もあります」(前出・精神科医)

 他にも、例えば「鳥が飛び立とうとしている。枝にとまって休んでいたけれど、このあと巣に帰る」といったように、過剰にストーリーを作り上げたり、回答そのものを拒否して質問者に敵意を向けたりした場合には、“抑制傾向”といった判定要素に当たるという。

「身の回りの人にこの模様を見せてみることも、深層心理を理解する上では必要なことかもしれません。ただ、これはあくまでも精神鑑定の手法のひとつ。例えば“攻撃性”に当たる反応だったとしても、その人が必ず攻撃的な人間であるとはいい切れないので、“こういった傾向もある”程度に捉えるのがいいでしょう」(前出・精神科医)

※女性セブン 2015年2月19日号

関連キーワード

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン