「増額理由」としてセキュリティ確保や早朝・深夜の緊急連絡、打ち合わせを速やかに行なうため、「知事の部屋を取り囲むように配置することが求められる」と記されている。外務長、オリンピック・パラリンピック準備局次長なども「知事や特別秘書からの突然かつ想定外の指示に対して迅速に対応するため、(中略)知事と同一フロアである必要がある」との理由で同様に規定の約5倍の額の部屋に泊まっている。
この文章を読んで、舛添氏の出張では緊急の呼び出しが多くて大変だな……と思う納税者はいないだろう。知事が出張好きであるのをいいことに、まともなチェックもされず都役人の“作文”に判子が押され、高級ホテル宿泊にしているのだ。政治評論家・屋山太郎氏はこういう。
「都知事の外交に意味がないとまではいわないが、基本的には親善を深めることしかできない。韓国・朴槿惠大統領との会談のように、国の外交に悪影響を及ぼすケースまである。そのことを肝に銘じるべきだ」
都民の税金を使った高級ホテルのスイート巡りにどれだけの意味があるのか。舛添氏は、慰安婦問題について朴氏の主張を一方的に聞き、「安倍首相に伝える」と返すだけで、さらには「東京都民の90%は韓国が好き」と講演で発言し、都庁に抗議が殺到した。任期2年目に入った舛添氏の言動はより厳しく監視されるべきだ。
※週刊ポスト2015年2月20日号