国際情報

日本で中国発クラゲ大量発生報道に中国人「たかがクラゲだ」

 中国では工業用地などの不足が深刻となり、沿海部では毎年、香港と同じくらいの土地を埋め立てていることが分かった。香港の陸地面積は1104.3平方kmであり、日本で言うと札幌市とほぼ同じ面積となる。すでに、これまでの5年間で5000平方kmもの土地が埋め立てられている。

 これらの埋め立てによって、環境が変化し、最近の日本近海でのクラゲ襲来の原因となっているとの説もある。

 直径2m、重さ150kgを超すエチゼンクラゲが大量に日本に襲来するようになったのは2002年からで、それまでは40年に1度ほどだったものが、毎年のように発生。2009年には犬吠埼(千葉県)沖で、網にクラゲがかかりすぎて漁船が転覆する事故も起きたほか、2012年8月には大量のクラゲの襲来で、関西電力赤穂火力発電所(兵庫県)の取水口が塞がれ、冷却水を取り込めず、起動できなかった事件もあった。漁業被害額は300億円に達した年もある。

 水産総合研究センターなどの調査によると、エチゼンクラゲは渤海や黄海など東シナ海北部の中国沿岸で発生。中国の沿海部が埋め立てられて開発が進み、海岸はコンクリートの護岸壁に覆われている。岸壁にはクラゲの幼生が生育する条件が整っている。

 そこで育ったクラゲが海流に乗って、日本の沿岸部分に漂着し、漁船の転覆事故や発電所の起動にも大きな影響を及ぼしているというわけだ。

「クラゲの大量襲来の原因は中国」との内容が日本メディアによって報じられると、中国のインターネット上では「何でも中国のせいにしちゃいけないよ。日本も放射能漏れがあったよね」とか、「たかがクラゲで中国に抗議か?他国を侵略したことについては口をつぐんだままだというのに」というような歴史問題を意識した、まるで見当外れのコメントが寄せられている。

「日本は中国の汚染により被害を受け、韓国は中国の黄砂の砂嵐により被害を受ける」 という現実を直視している書き込みもあるものの、「中国の汚染によって、日本が投降する日は近い」というように、中国沿海部でのクラゲの大量発生を茶化しているコメントがほとんどだ。

関連キーワード

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン