国際情報

男女比のアンバランスが深刻な中国 ウクライナ美女に秋波も

 世界一の人口を誇る中国だが、同時に深刻な「人口問題」を抱えてもいる。現地の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 かつてこの項でも触れた問題だが、中国では人口における男女比のアンバランスが深刻である。「2020年には、中国で『結婚できない男』の数は3000万人~3500万人にも達する」との予測も出された。

 この問題の根源にあるのは中国社会に根深い〝男尊女卑〟があるからなのだが、この現象は、「政府が大々的に女の子の重要性を宣伝し、ある地域では女の子を出産した夫婦にボーナスを支給するといった政策を打ち出したにもかかわらず一向に改善しない」(北京の夕刊紙記者)というから筋金入りである。

 中国の男女比は、最悪とされた2004年に100対121.2にまで急上昇。これを機にやっと下降に転じたが、さまざまな政策による誘導を行ってきた現状でも、なお100対115(2015年1月20日時点の国家統計局による発表)と世界平均の100対105にはるかに及ばない。

 単純に数字で見ると、中国の男性7億100万人に対して女性の数は6億6700万人と3400万人も女性が少ないことになるのだが、こうした事情はベトナムから花嫁候補の女性を誘拐するビジネスを誘発するほど国境を越えて問題となっているのだ。

 はたして、この深刻な事態を改善する方法はあるのだろうか。

 この疑問に対し1月22日付『新京報』の記事の出した答えが話題を呼んだ。題して〈男女比のアンバランス問題解決は〝輸入〟で解決するしかない〉である。

 要するに経済的に恵まれない国から若い女性を中国が大量に受け入れるという方法なのだが、同紙が目を付けたのが戦乱によって国民経済が疲弊しきったウクライナだというから洒落にならない。しかも、「経済は低迷しているが、同国は美女大国として栄えている」とのたまう。

 同紙は、こうした発想の根底にはかつて中国の若い女性たちが経済先進国である日本や欧米、そして韓国の女性不足問題を解決してきたことがあるとも指摘する。

 もちろん、中国花嫁が日本や欧米、韓国に大量に向かったことは事実だ。だがそれは両国間の経済事情が招いた結果であって、自らの胎内に芽生えた命を超音波検査で性別を調べ、女の子であったら中絶するといった行為が招いた結果の尻拭いなどではなかったはずだ。

関連キーワード

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン