現在62歳の内山哲太さん(仮名)は、定年まで勤めた建設会社に再雇用され、月給20万円で「1日5時間」働いている。正社員の4分の3未満の時間で働いているため、月額10万円弱の年金はカットされず、フルで受給している。
「1日5時間しか働かないと時間を持て余しそうなので、残りの時間で何かしたいと思っていました。そこに、草野球の審判の仕事が舞い込んできたのです。
私は学生時代には体育会野球部に所属して、サラリーマン時代も趣味で草野球を続けてきたので、楽しんでバイトをしています」
そう語る内山さんは、インターネットで見つけた草野球審判を派遣するグループに登録したところ、継続的に仕事が来るようになったという。土日はもちろん、仕事終了後の平日のナイターに依頼があることも。
「収入は1試合2000~3000円。月2万円くらいのいいお小遣いになっています」(内山さん)
再雇用先の給料と空いた時間の副収入という“二足のワラジ”に加えて、年金も減らされない働き方だ。
「週3日」で電子部品メーカーに勤務している63歳の浅野修さん(仮名)は、会社が休みの火曜日と木曜日に“副業”をしている。
「旅行会社が観光ガイドを募集していました。私は浅草育ちだったので浅草のガイドなら自信があるとアピールして採用されました」(浅野さん)
1回3~4時間のガイドで5000円。月に4万円程度の副収入を得ているという。
都内に住む63歳の河村俊明さん(仮名)は、やはり「週3回勤務」で継続雇用を選択し、残りの日を使って実家の家業の自転車店を手伝って成功を収めた。
実家は兄が継いでいたが、経営は苦しかったという。
「私がサラリーマン時代の小売りの知識を活かして子供向けの商品を多くしたり陳列方法を変えたりしたところ、自転車ブームの到来もあって売り上げが大きくアップしました。月5万円ですが、兄から“給料”をもらえるようになりました」
※週刊ポスト2015年2月27日号