──本数が少ないからこその喜びというか。
礼二:まあ、必ずしも利便性を求めている鉄道ではないですからね。ゆったりとした時間を楽しむのがいいですよ。
あとは、単純に観光列車として楽しむのもいいと思います。この前も『笑神様は突然に』(日本テレビ系)のロケで青森の津軽鉄道に乗ってきたんですけど、だるまストーブが置いてあるストーブ列車でね。津軽弁のアテンドさんがついていて、楽しかったですよ。
でも、逆に、路線によっては冷房がついてない車両もあるんで注意したほうがいいですよ(笑い)。前に小湊鉄道(千葉県市原市)で冷房がついてない車両に乗った時は、窓を開けて風を入れてボーッと外を眺めてましたね。都心だと窓が開かない電車も多いからこういう楽しみ方はできない。冷房がないのも逆に魅力ですね。
──鉄道ファンならではのマニアックな楽しみ方もあるんですか?
礼二:そういう意味だと、車両にも注目ですね。以前都会の路線で活躍していた車両が、ローカル線に譲り受けられて動いているっていうのが多いんですよ。それを見に行くっていうのも楽しいです。外から見たら、東急とか近鉄の車両なんだけど、中身はワンマン列車使用に改造されたりしてて。これがまたなんとも言えない哀愁があるんですよ。駅舎なんかも古いものが多くて、下手に改修しないで、そのままの形を保ってほしいと思いますね。
──昔ながらの雰囲気も魅力ですね。
礼二:切符なんかも「硬券」っていって、硬い紙の切符が残ってますから。都会で電車に乗ってたら体験できないようなことも多いですね。あと、みなさん、本当に優しい。どのローカル線に行っても、「どんだけ優しいねん」っていうくらいにみなさん優しくしてくれますよ。駅の近所に住んでいる人たちなんかも、ボランティアで駅の周りの掃除なんかをしていて、すごく支えている感じがしていますね。
──ちなみに、礼二さんが最近気になっているローカル線ってありますか?
礼二:最近というかずっとなんですけど、いすみ鉄道(千葉県夷隅郡)が今後どうしていくんかなっていうところが気になりますよね。運転士を公募したり、1枚5000円で「枕木オーナー」を募集したり、奇抜なことをやってるやないですか。鳥塚社長がもともと鉄道ファンだっていうのもあって、何をやってくれるんだろうって楽しみにしてますよ。できれば、いつか車掌でもやらせてほしいですけどね(笑い)。
【中川家・礼二】
1972年1月、大阪府出身。兄の剛と漫才コンビ「中川家」を結成し、2001年のM-1グランプリ、2010年の上方漫才大賞など数々の賞を受賞。鉄道に造詣が深く、DVD『中川家礼二の鉄学の時間1~6』が発売中、DVD『それゆけ中川電鉄1~6』が近日発売予定。