実は2013年の時点で「2人以上の世帯」の家計調査では「肉類」が「穀類」「魚介類」を追い抜いていたが、その差はごくわずかで、しかも「2人以上の世帯」限定だった。
2012年 穀類7万9406円 魚介類7万7803円 肉類7万5714円
2013年 穀類7万8027円 魚介類7万8739円 肉類7万9327円
2014年 穀類7万6782円 魚介類7万8739円 肉類8万5930円
ところが2014年は「総世帯」でも肉類が両者を超え、さらに「2人以上の世帯」では6000円以上、8%超という圧倒的な伸びを見せた。日本の食文化において「肉」が堂々と主役を張る時代が到来したと言えるのかもしれない。
明治に起きた「牛鍋」ブームは、その後「すき焼き」という料理になって、家庭の食卓に上るようになった。から揚げや餃子などは第二次戦後、大衆的な飲食店で提供されるようになった後、家庭の食卓へと入っていった。食文化は、外食から家庭の食卓に持ち込まれるようになって醸成する。
ちなみに総務省統計局は、今年2015年1月分の家計調査から外食における「洋食」分類を「洋食」と「焼肉」に分割し、「焼肉」という項目を独立させた。こんな小さなところからも日本における「肉食文化」の定着は伺える。