夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(47歳)が商社勤務の奥様(45歳)。高校生の息子さんがいます。
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主人は長男なんですが、経済的に恵まれず、大学進学を諦めて就職。毎月実家に仕送りしていたそうです。「独身時代、キャバクラとかに行かなかったの?」と聞くと「キャバクラなんて行きたいとも思わなかったし、そんなお金があったら実家に送ってたよ」。
今もお小遣いは月1万円で、「オレはこれだけあれば十分。キミもやりくりが大変だろうけど、出来るだけ多く親に送ってくれ」。女友達にそれを明かすと、「立派なご主人ね。夫が親に優しいということは、その血を受け継いだ息子さんも同じことをしてくれるわよ」。
確かに、息子に「欲しい物ある?」と聞くと「僕はいいから、ママこそ好きな物を買いなよ」といってくれます。真面目な夫と母親思いの息子──幸せを噛みしめる毎日でした。
ところが、主人の本棚を掃除していたら、本の間からパラリと写真が……。若い頃の主人と、キャバ嬢らしき女性が写っています。それも複数です。「アナタ、キャバクラには行ったことないっていってたじゃないの!」。
帰宅した主人を問い詰めると「キャバクラは行ってないよ。ただ、昔の彼女にキャバ嬢が何人かいただけ。オレ、安月給で仕送りしてたから彼女たちにはずいぶんと生活の面倒を見てもらったよ」「苦労して仕送りしてたんじゃないの?」「オレ、苦労したなんて一言もいってないよ」。
ケロッとした顔でそういう夫……。まさか、今も誰かからお小遣いもらってたりしないでしょうね? 願うのは、その血を息子が受け継がないことだわ!
※週刊ポスト2015年4月24日号