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江戸時代の豪華絢爛着物ほか 超絶的「刺繡」の数々がお披露目

檜垣に秋草文様唐織り 能衣装打掛/江戸後期

 布地に糸を縫いつけてさまざまな文様を描く刺繡。人間が布を織り始めたときから、衣装と刺繡は同時に発生してきたと考えられている。以来、東西のさまざまな地域のさまざまなシーンで特色的な刺繡が生み出されてきた。特に、ハレの場で使われた刺繡に、人々は想像を絶するほどの時間と情熱を注いで紡いできた。

 そんな古からの個性豊かで美しい刺繡の数々が「超絶刺繡II-神に捧げるわざ、人に捧げるわざ-」(公開中~6月28日)で公開される。

 2009年に開催された「超絶刺繡」からの第二弾。今回の展示では、日本の祭りを代表し美術的にも評価の高い、「京都祇園祭」と「長崎くんち」にスポットを当て、長刀鉾を飾る水引幕といった豪華な懸装品や長崎刺繡の匠の技を紹介する。さらに、繊細かつ大胆な迫力に満ちた作品を創出する技術、そのルーツと魂を受け継ぎ、保存にも心血を注ぐ人々の取り組みにも迫る。

 江戸時代、明治時代の素晴らしい刺繡の技術が施された着物の展示も見どころだ。江戸時代の「総牡丹文様総刺繡小袖」や小袖屏風「藤鼓文様総刺繡小袖」「吉祥華に檜扇面散らし文様総刺繡小袖」、江戸後期の「檜垣に秋草文様唐織り 能衣装打掛」といった、貴重な着物も鑑賞できる。

 他にも、18世紀ロココ時代のヨーロッパ宮廷で着用された男性衣装の絢爛豪華な刺繡、金銀煌めくドレス、20世紀初頭よりパリを彩ったオートクチュールのドレスなども同時に展示される。

 目を見張るような“超絶的”な技巧による、精緻で荘厳な刺繡の数々。それぞれの際立つ個性や、ファッションの領域にとどまらない強さ、美しさ、そしてそれらが織りなす高揚感をこの機会に堪能してみてはいかがだろう。今年のゴールデンウィークのお出かけスポットとしても注目だ。

 開催期間中には、長崎県指定無形文化財 長崎刺繡技術保持者・嘉勢照太さんによる公演や、オートクチュール刺繡の実演、ソーイングイベントなども催される。

【会場】神戸ファッション美術館 神戸市東灘区向洋町中2-9-1
【料金】500円
【期間】4月18日(土)~6月28日(日)
※会期中、水曜日は休館。ただし祝日の場合は開館し翌日休館。
【時間】10時~18時(入館は17時30分まで)

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