ビジネス

日本刀ブーム ゲームにハマった女性が鍛錬や鑑賞講座に殺到

岐阜県関市・関鍛冶伝承館での古式日本刀鍛錬

 国宝や重要文化財などを含む日本刀を美青年や美少年に擬人化したブラウザゲーム『刀剣乱舞(とうらぶ)』が今年1月に運営を開始してからというもの、全国各地の日本刀にまつわる場所に足を運ぶ女性が増えている。ブームを受けてゲームを意識した展示を企画する博物館や美術館が増え、日本刀関連の書籍の増刷や発行が相次いでいるが、直接ゲームと関わりがない鑑賞マナー講座や製造過程を披露する場所にも女性の姿が目立ちはじめた。

 刃物の町として今でも知られる岐阜県関市の関鍛冶伝承館では、鎌倉時代から伝わる鍛冶の技術披露の一環で、日本刀鍛錬の特別公開が定期的に行われている。

「通常は年に6回だけ特別公開している古式日本刀鍛錬ですが、今年は7年に1度の関善光寺御開帳にあわせて特別に4月と5月の毎週日曜日に公開しています。偶然ですが、ありがたいことに日本刀ブームと重なりました。問い合わせ件数も今年になって顕著に増えたなと感じています。

 これまでは、日本刀鍛錬についての問い合わせといえば年配の男性が主流でしたが、女性が多いのが最近の特徴ですね。宿泊してでも見学したいと、遠方からの問い合わせもありました。近県で行なわれている刀の企画展をご覧になるついでに、関市にも足を運んでくださるお客さんが増えているのかなと思います」(関市観光交流課・戸川勇太さん)

『刀剣乱舞』は近未来を舞台にしたブラウザゲームで、システムは『艦隊これくしょん』と共通。プレイヤーは審神者(さにわ)となり、短刀、脇差、打刀、太刀、大太刀、槍、薙刀など刀剣の付喪神である刀剣男子で最大6名の部隊を組んで歴史修正主義者や検非違使と戦い、勝利を目指す。初期設定以降は鍛刀や敵に勝利することで新たな刀を入手できるが、ゲーム内で刀を製造する場面に刀工や刀匠が鎚を振り下ろし火花が散る描写はない。それでも現実の古式日本刀鍛錬に人が集まっている。

 ふだんの来館者は外国人観光客が中心の渋谷区にある公益財団法人日本美術刀剣保存協会・刀剣博物館にも女性の来館者が増えている。

「今年に入ってからの来館者は昨年比で1.7倍とこれまでにない伸びです。歴女ブームの時はひとりで来館される女性が目立ったのですが、今回は30歳前後くらいの、キャリーバッグを持った2~3人のグループですね。このブームに乗り遅れまいと全国で刀の企画展が増えていますが、当博物館の性格上、ゲームを意識した展示はやっていません。でも、明らかにその影響で来館者が増えています。

 月に一度、刀を鑑賞するための初心者講座を開いているのですが、この数か月はずっと受付開始するとすぐ定員が埋まります」(刀剣博物館主任学芸員の久保恭子さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン