ビジネス

就活生よりも話が長い「自分語りが好きな面接官」は嫌われる

 就職活動とはいえども、苦手な面接官はいるもの。学生に嫌われるワースト面接官を、千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏が解説する。

 * * *
 前回、面接官をイラッとさせる就活生の特徴について書いたところ、ネット上でかなり拡散し、話題になりました。読んで頂き、ありがとうございます。

 その際に、「就活生叩きだけでなく、面接官の残念な奴も紹介するべきだ」というご意見を多数頂きました。ええ、書きますとも。というわけで、今回は「学生から嫌われる面接官の特徴」をお届けしたいと思います(なお、民間企業で面接「官」という言葉はどうなのかという意見も多数頂きましたが、一般的に使われている言葉なので、このまま行きます)。

 では、さっそくいってみましょう!

■就活生よりも話が長い奴

 学生のことを理解するための面接なのに、延々と自分の方が長く話す面接官がいます。はっきり言って、うざいですね。どうでも良い自分語り、特にバブル期の羽振りの良い武勇伝など聞かされる……。最悪です。こういう話は新橋の居酒屋か、中野のキャバクラでしてください。

 もちろん、面接によっては、面接官が長く話すことが重要な局面もあります。面接は他社と迷っている就活生を口説くという側面もあるからです。そのため、その企業で働く醍醐味や、武勇伝などを話すことは重要ではあります。ただ、それが相手に響かなくては何の意味もありません。昔話で、しかも業界用語を使いまくっていて、就活生には何のことか分からない状態になっては意味がありません。

 この「自分語り大好き野郎」「面接室を新橋の居酒屋にしてしまう親父」は、猛反省してもらいたいものです。

■圧迫面接をする奴

 この面接手法自体、学生を不愉快にするだけで何も見抜けないことに早く気づいてほしいですね。まあ、臨機応変に対応できるかどうかくらいは分からなくはないですが。この手の面接は、ネットなどで叩かれやすいですし。

 やや余談ですが、私が爆笑したのは、HR総研が実施した、面接に関する学生アンケートで「圧迫面接が下手だった」というコメントがあったことです。某メガバンクですね。2015年度採用の時のことです。この銀行の面接はこの年、評判が悪かったですね。

 もっとも、コンピテンシー面接という、その人の価値観や行動特性を掘り下げる面接も、「圧迫面接だ」と言われてしまうことがありますが。私も、その人のことについて深く知りたいと思って、何度も掘り下げ質問をしたら、ネットで「圧迫面接だ」と叩かれたことがあります、採用担当者時代に。学生が勝手に誤解しているケースもあるにはあります。

 面接の内容もネットで晒される時代です。気をつけたいところです。

■自虐的な話をする奴

 その企業に関して、自虐的な話をされると、学生はどんな気分になるでしょうか。きっと「ここには行きたくないな……」と思うことでしょう。

 いや、企業の実態について正直に伝えることは大事だとは思いますよ。その方が入社後のミスマッチを避けることができますから。ただ、ここで「給料が安い」「うちの会社なんて……」という自虐的な話をされると嫌な気分になるものです。

 この手のことは、急成長した大手企業の中高年の面接官にありがちです。その人たちが入ったころは規模も大きくなく、人気もなかったため、こういう面接官は「ここしか拾ってもらえるところがなかった」なんていう話を学生にしてしまいます。この話を聞いて、学生はひいたり、さめたりするわけですね。

 企業の実態を正直に話すのは大事ですが、自虐的な話をされても困るわけです。はい。

関連キーワード

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン