坂本氏のいうとおり、番組内容がウソで塗り固められていたら、テレビ局はまんまと騙されたということになる。しかし各局とも検証したり、視聴者に説明したりする気はないようだ。
「坂本一生氏の当時の様子をクイズ形式で取り上げたバラエティ番組です。それ以上お答えすることはありません」(TBS)
「番組担当者や、取材対象者に事実関係等を確認致しました。ご指摘の内容については把握しておりません」(読売テレビ)
「事実関係を確認しているところです」(テレビ朝日)
坂本氏が悔恨の念をこめていう。
「同じスタッフや住宅が依頼者として何度も登場していましたし、いつも“今度こそバレるんじゃないか”と冷や汗の連続でした。もうこんな嘘に塗り固められた生活は送りたくない。すべて吐き出した上で、テレビ局の皆さんにも、視聴者の皆さんにも改めて謝りたいと思います」
日本を代表する大メディアが、ここまで原始的なやらせ、仕込みを堂々と放映していたとすれば、それこそ自民党に呼び出されて吊るし上げられそうな話である。「ウソでもいい」は日本のテレビ界全体の悪習なのだろうか。
※週刊ポスト2015年5月29日号