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主婦を悩ますブラックパート サービス残業や出勤日不明など

「残業代が払われない」「契約以外の仕事をさせられる」──今「ブラックパート」といわれる過酷なパート現場が増えている。夫の稼ぎだけでは家計を支えられない主婦は、社員採用などの“エサ”をちらつかせられ、おかしいと思っていても辞められない。「ブラックパート」の実態を探った。

 パートのメリットは何といっても、勤務時間や日にちの都合がつくことだ。家事や育児をしなければならない主婦だからこそ、パートを選ぶ人は多い。だが、そのシフトが自由にならないことがある。週4日、スーパーでレジ係のパートをしているA子さん(54才)は言う。

「毎週、出勤する曜日が決まっていなくて、いつシフトが入るかわからない。早く出勤日を知りたいのですが、店長から連絡が来るのは、いつも前日の夜なんです。常に予定を空けておかなければならないので緊張が続いて、不眠症になってしまいました」

 給与でも時間外労働の未払い、いわゆる“サービス残業”を課されるケースがある。

「夕飯の支度に間に合うように、“午後5時まで”の条件でパートを始めました。ところが毎日のように“忙しいのは これからなのに、帰るつもりなのか?”と店長に責められて、帰るに帰れません。しかも居残った分の時給はゼロ。最近は、夫も子供も不満顔です。子供の教育費のこともあるし、やっと見つけた仕事なので辞めるふん切りがつきません」(40才・スーパー勤務)

「ランチタイムだけという契約で、時給780円で働いています。ところが、働いている時間の割に、もらえるお給料が安いんです。ランチのお客さんが帰った後、片づけしてから帰るので、店を出るのはいつも午後3時すぎ。でもバイト代は『ランチタイムが終わる午後2時まで』の分だけ。それってひどくないですか?」(46才・飲食店勤務)

 そうした主婦たちは、前述したようにパート先からクビをにおわされたり、社員登用をちらつかせられたりと、弱みにつけこまれ、言うことを聞かざるを得ない。実際にパート先でそんな経験をした主婦たちはこう話す。

「休みのシフトを組むのは正社員が優先で、いつ休めるかわからない。夫や子供と休みの日を合わせて、家族で出かけることもできません。一度、子供の学校行事の日に休みをもらおうとしたら、クビをにおわされました」(38才・スーパー勤務)

「パートを始めてまだ半年ですが、先輩パートが辞めてしまったので“店長候補パート”という肩書を与えられました。うまくいけば社員になれるかも、と思って喜んで引き受けましたが大失敗。レジ閉めまで任されるようになり、最後の片づけも終えて帰るのは夜10時近く。にもかかわらずもともとのパート契約は8時までなので、時給はそれまでの分しかもらえません。店長になれる気配もなく、責任が重くなっただけで、いいことは何もありません」(50才・ドラッグストア勤務)

※女性セブン2015年6月4日号

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