高級ブランドは、最先端さえ追わなければ、夫の社販で優遇されたと思うのである。だが、体のタルミや顔のシワなどは、「高級エステ」「美容整形」に頼るしかなかったというのだろうか。それとも、その“アフター”を見せたい若い男性の姿が近くにあったのだろうか…?
詐欺事件に加え、夫の自殺ほう助の疑いもかけられている森田容疑者については、実年齢より「10才は若く見える」と近所の人たちが証言している。
つい最近、同じような話を聞いた。それは、神田うの宅からエルメスの特注バッグや貴金属を盗んだベビーシッター・Aについてのご近所の証言だ。
Aの年齢は60代と言われるが、20代、30代、40代の頃、彼女が歩んだ時代もまた森田容疑者とそれほど違わない。
被害額、数億円ともみられる詐欺をはたらいて自分の美貌と若さを死守した森田容疑者と、芸能界きってのブランドコレクターとして知られる神田うの宅で何度も盗みをはたらいたベビーシッター・A。
同じ時代を生きるも、セレブへの階段を途中で降りた同年代の女性がみな、このような悪事をはたらくわけではもちろん、ない。多くの女性たちは、あるところで、「あれは、うたかたの夢だったのだ」と気づき、地道に生きていく選択をしてきた。
しかし、長年、日本女性の“ブーム”という“ブーム”の主役であり続け、フツーの主婦になってもなお、超セレブに近いところに居た女性たちは、主役から降りにくい…というのも事実だろう。
その帳尻合わせの苦労は本人にしかわからず、ときにはセレブに対する嫉妬や羨望で、メンタルのバランスを崩してしまうことがあったのかもしれない。
だからと言って、森田容疑者とベビーシッター・Aを擁護するつもりなど、もちろんない。が、「なぜ騙されてしまったのか」「なぜ盗られてしまったのか」と被害者のことだけを掘り下げるワイドショーを見るにつけ、私は、実年齢より10才若く見えて、いつも小ぎれいにしている“美魔女”二人の、「女の執念」に興味をそそられてしまうのである。