芸能

伊勢丹詐欺女とうのベビーシッター げに恐ろしきは女の執念

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、伊勢丹元女性社員による詐欺事件を読み解く。

 * * *
 全容はまだ明らかになっていないが、連日ワイドショーで報じられているのが、伊勢丹新宿店の元社員による詐欺事件である。

 被害者は同店の顧客ではなく、容疑者の高校時代の同級生を始めとした知人とのことだが、伊勢丹に通い詰める多くの芸能人は一様にドキッとしたのではないだろうか。もちろん、伊勢丹のイメージダウンは否めない。
 
 百貨店の業績不振が続くなか、伊勢丹新宿店だけはずっと好調が続いており、特に高級時計や宝飾品などの売れ行きは「戻って来た」と3年ほど前に聞いた。

 また、アパレルや化粧品メーカーでは「伊勢丹のいい場所に出店できれば本物」というのが通説になっている。

 バイヤーの目利きは「日本一」と言われ、「伊勢丹で〇〇〇個、売れた」といった実績は業界ですぐに広まり、「伊勢丹の顧客に認められた」ことで、一気に知名度をアップするメーカーやブランドもあるほどだ。

 さらに、「三越伊勢丹ホールディングス」となってからは、伊勢丹とはまた異なる“ブランド力”も加わったし、今春、東京ミッドタウンにオープンしたセレクトショップ『イセタンサローネ』も連日セレブな客で賑わっている。

 伊勢丹ファンを公言している代表的な存在は俳優の阿部サダヲ。「ちょっとした空き時間があったら必ず立ち寄る」「一日中いても飽きない」と言っている。

 また、叶姉妹のお二人も、お世話になったテレビ関係者らに贈るお中元やお歳暮はいつも伊勢丹から。テレビ出演と同じロングドレスで担当店員と共にハイブランド、ラグジュアリーブランドのフロアでお買い物する姿は、顧客のあいだでは有名だ。

 芸能人本人ではなく、その“奥さま”が担当社員を複数連れて練り歩くのは、年に2回、ホテルニューオータニで開催される頒布会『丹青会』。超大物芸人の奥さまのお供を4人の同僚としたという社員の一人から、その奥さま主催のお食事会に招かれた…という自慢話を聞いたこともある。

 つまり、顧客は大金持ちやセレブばかり。そうした人たちに囲まれていると、自分もセレブになったような妄想にかられるタイプが少なからずいるのかもしれない。

 話を詐欺事件に戻そう。元伊勢丹新宿店の社員で、夫も同店社員だった森田弘子容疑者は51才。騙し取った金の大半をエステや美容整形にあてていたと言われる。

 ニュースやワイドショーには、恐らく高校時代だと思われる顔写真が出ているが、聖子ちゃんカットが“時代”を思わせるものの、メイクをしたら、きっと“美人デパガ”と言われていたであろうことが想像できる。

 女子大生ブームやブランドブーム、バブル時代をもっともいい年齢で過ごし、近年、ブランド百貨店ナンバーワンの座にいる伊勢丹新宿店に勤務する夫をもっていた森田容疑者。そんな彼女は、まさに“美魔女ブーム“の中心的世代でもある。

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン