ビジネス

投資信託 地域分散図るためのアジア地域対象のファンド紹介

 株高やNISA(少額投資非課税制度)の追い風を受けて投資信託の残高が大幅に伸びている。だが、楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏はリスクの分散が不十分ではないかと危惧する。

 * * *
 最近のマーケットで気になることがある。個人投資家のポートフォリオにおける投資対象資産の偏りである。運用成績や分配金を重視するあまり、いつの間にか、国内外のREIT(不動産投資信託)や高配当株に投資をするファンドばかりを保有している、といった人が散見される。特に、「地域分散」が図られていないケースが増えているようだ。

 一時期の『BRICs』(ブラジル・ロシア・インド・中国の総称)ブームは完全に影を潜め、投資対象における国や地域を考える個人投資家が、少なくなっているのではないか。やはり、幅広い国や地域、および、多様な金融商品を投資対象にすることが、ポートフォリオ全体の分散効果を高め、効率的な運用につながるのである。

 そこで、地域分散が図られていない人向けに、アジア地域を投資対象とする投資信託をいくつか紹介しておこう。

●「アジア好利回りリート・ファンド」 (三井住友アセット)
日本を除くアジア各国・地域(オセアニア含む)のREIT(不動産投資信託)が主要投資対象。毎月分配型。

●「アジア ハイ・イールド・プラス(毎月決算型)」(岡三アセット)
アジアのハイ・イールド債券を中心に、転換社債(CB)などに実質的に投資を行なう。主に米ドル建て。

●「アジア・ヘルスケア株式ファンド」(日興アセット)
アジア各国の医療関連企業が発行する株式を主な投資対象とする。原則、為替ヘッジは行なわない。

 新興国ブームが去った後、経済、金融市場が不安定な動きが続いた国もあった。だが、ここにきて所得水準の向上、中間所得層の増大などが顕著となり、安定的な経済成長が持続できる環境が整ってきた。東南アジア諸国(ASEAN)の場合、若年層の労働人口が厚い人口構成も大きな魅力だ。

 アベノミクスがスタートして約2年半が経過した。大幅な円安が進むと共に、日本株も大きく上昇してきた。良好な運用成績が続いている個人投資家も多いだろう。こういうときこそ、冷静にポートフォリオをチェックし、本来の自分の投資目的やリスク許容度を考えて、リバランス(投資配分比率の見直し)などのメンテナンスを行ないたい。

※マネーポスト2015年夏号

関連キーワード

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン