5.「日本国憲法」(小学館)

6.「世界憲法集」(岩波文庫)

「日本国憲法」は憲法の条文をわかりやすい語注と写真をつけて紹介した。1982年に発売され、今も90万部を越えるロング・ベストセラーになっている。ちなみに先述の木村氏も中学生時代にこの本に出会って法律家の道を志した。本を出すとはそういう「因縁」をもたらすのだという、出版界で飯を食っている人間にとっては励まされるエピソードを付け加えておく。

「世界憲法集」は、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、韓国、スイス、ロシア、中国、日本の憲法を解説とともに条文を掲載している。

 憲法は法律であると同時に、国際社会に対して「我々はこういう国である」という一種の声明文という性格も帯びている。戦前、国際連盟を脱退したわが国が、日本国憲法の前文で

《われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会で名誉ある地位を占めたいと思う》

 と決意を明らかにしたのはその例である。「世界憲法集」もその観点から眺めていくと興味深い。

 ドイツのメルケル首相が来日したときにドイツ憲法をぱらぱらと眺めて、同じ敗戦国からスタートした同国の憲法6条4項に、

《すべて母親は、共同体の保護と扶助を請求することができる》

 という条文を発見し、しみじみとした感に打たれた。

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