国内

栃木の小学校 ママ友2人がLINEいじめで連続自殺の壮絶

 栃木県の南西部に位置する佐野市の中心部から車で30分ほど行ったところに、白い鉄筋コンクリート造りの小学校の校舎がある。山が間近に迫り、田畑が広がるのどかな一帯には、昼間は子供たちの遊ぶ声が響く。児童は一学年10~15人程度で、全校でも70人ちょっとという小学校だ。

 そんな小さな学校を揺るがす“事件”が今年の4月、立て続けに起きた。1週間の間に、在籍する児童の母親2人が相次いで自殺したのだ。発端は4月16日、小4の娘を持つA子さんが亡くなったことだった。

「A子さんが首を吊っているのを見つけたのは娘さんでした。娘さんは特殊学級に通っていて、本当にかわいらしい子。その子が自分で救急車を呼びました。だけど、A子さんの家は山の中腹にあり、道も細く、救急車が道に迷ってしまった。娘さんは泣きじゃくりながら家の下の大きな道路まで下りてきて、救急車を待っていました」(近隣住民)

「お母さんが…お母さんが…」。声にならない声で泣きじゃくりながら助けを求める幼い子供に静かな街は騒然となった。

 A子さんの葬儀には、子供が同じ学校に通うママ友のB美さんが参列していた。A子さんとB美さんはママ友の中でも、親友といえるぐらい、何でも相談できる仲だった。B美さんの知人によると、A子さんの告別式でB美さんは友人代表としてこう手紙を読んだという。

「私がAちゃんの代わりになって子供のことを守ってあげるからね」

 だが、その約束は果たされなかった。A子さんが亡くなった1週間後、B美さんも自ら命を絶ったのだ。

「B美さんは男の子3人、女の子1人の4人の母。PTAの活動にも積極的に参加する、子供好きの活発で、きれいなお母さんでした。葬儀では、娘さんがお小遣いの1000円札を握りしめて火葬場の職員に“これをあげるからお母さんを焼かないで”と泣いていました。見ていて本当につらくて、つらくて…」(前出・B美さんの知人)

 2人のママ友の相次ぐ自殺。その真相に触れたのは、読売新聞の栃木県南版(7月3日)の短い記事だけだった。

《遺族によると、(A子さんとB美さんそれぞれの)児童2人は学校で物を隠されたりするいじめを受け、不登校になった。2人の母親が「やめてほしい」などと、別の児童の母親に改善を促すうち、母親たちの間で孤立するようになった。自殺直前には、他の児童の母親から「母親失格だ」などと厳しく言われ、家族に悩みを打ち明けていたという》

 学校や市教育委員会はLINE上で母親同士がA子さんとB美さんの陰口などをやりとりしていたことを確認したという。しかし、「児童や母親の間にいじめ行為はなかった」と結論づけたと報じられた。A子さんとB美さんを知る人物が語る。

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン