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支持率低下の大ピンチ 安倍政権次の一手は2016年ダブル選挙

 安全保障関連法案に絡んで9月衆院解散説が飛び交っている。前回、ボロ負けした民主党が悪夢の再現におびえるのは無理もないが、これはない。安倍晋三政権にとって最優先の課題は安保関連法案の可決成立である。

 それより可能性が高いのは、ずばり来年7月の衆参ダブル選挙だ。

 そんな見通しを7月12日放送のテレビ番組『そこまで言って委員会NP』で喋ったら、同席した飯島勲・内閣官房参与も同じ見立てだった。飯島氏は「常在戦場。11月以降は(安倍さんが)解散カードを持っていなかったらおかしい」と付け加えた。

 予想が一致したのは、けっして偶然ではない。昨年12月の総選挙時も早くから解散見通しを公言し的中させたのは、私と飯島氏の2人だけだった。

 なぜ来年、ダブル選挙とみるのか。それにはいくつか理由がある。まず安倍内閣の支持率が下がっている。

 国会は淡々と審議が進むのかと思っていたら、背中から政権を撃つような自民党のチョンボが続いて逆風が吹き荒れてしまった。巨額の建設費がかかる新国立競技場の建設問題や年金情報流出問題もある。そんな中、安保関連法案の採決によって、支持率はさらに下がる可能性もある。

 景気の先行きも心配だ。タクシー運転手などから聞き取った街角調査の数字は悪化している。安倍首相は2017年4月に消費税を10%に引き上げる方針を掲げており、本当に増税するなら、来年春から夏までに正式決定しなければならない。

 先の日程を見ると、環太平洋連携協定(TPP)や原発再稼働など不人気政策が控えている。内閣支持率が低下し景気の不透明感も強まる中、安倍政権は追い打ちをかけるように再増税を決めて、参院選に臨めるだろうか。

 私は増税で参院選なら安倍政権が負けるのはほぼ確実とみる。国民は「ここらで安倍政権にお灸を据えてやろう」と考えるはずだ。いったん立ち止まって憲法改正を考えるためにも、参院選は野党に勝たせて国会を衆参ねじれ状況に戻す。そういうバランス感覚が働くのではないか。

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