走りは、これまた電気自動車そのものだが(当たり前)、加速はものすごい。訪米中に安倍総理も試乗して「ジェットコースターのようだ」と評したが、その強烈な加速はエリートそのもの。ミライの加速も悪くないが、レベルが違う。
では、トヨタ・ミライとテスラ・モデルS、どっちが美女にモテるだろう?
残念ながら、どこからどう見てもテスラの勝ちが予想される。まず、テスラの方がはるかに見た目はカッコいい。その流麗なボディラインはイタリアのマセラティを思わせ、ダッシュボードは完璧なまでに未来的。すべてのメーターは液晶パネルに表示され、ダッシュボード中央には大型のiPadのようなパネルがついている。まるでアップル製パソコンの中に乗っているようだ。価格は823万円から。ミライより高いが、セレブ感は断然高い。
実際、テスラ・モデルSは、カリフォルニアのセレブたちの御用達である。あちらの高級住宅地を走るとテスラだらけで、テスラを見たらセレブと思えという感じだ。
つまりこれは、「名古屋セレブ」対「ビバリーヒルズセレブ」の戦いなのだが、恐らく多くの美女は、ビバリーヒルズを選ぶだろう。我らがトヨタには、“カイゼン魂”で奮起を期待したい!
■清水草一:編集者を経て、フリーライターに。「自動車を明るく楽しく論じる」がモットーの53歳。現在、フェラーリ・458イタリア、BMW・335iカブリオレ、トヨタ・アクアを所有。日本文藝家協会会員。
※週刊ポスト2015年8月14日号