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民主玉木雄一郎氏 政党が裏にいない「民主主義2.0」に注目

 永田町で“将来の総理候補”としてにわかに注目を集める男がいる。民主党の玉木雄一郎・衆院議員(46)である。複数の総理候補ランキングでも上位に入っている。果たして同氏はどんな政治を目指しているのか。

──あなたは同じ香川出身で大蔵官僚出身の大平正芳さんの後継と見られている。なんで自民党じゃないのかという疑問があります。

「自民党で出るなら官僚をずっと続けていました。小選挙区時代において、自民党に代わる政権交代可能な勢力を作りたいと思ったし、いまも思っています。中選挙区時代の自民党には派閥という党内政党がいっぱいあって、お互い切磋琢磨していましたが、いまや穏健保守の宏池会(かつての大平派)はどこへいったのかという感じ。

 ですから穏健保守・リベラル保守を一つに結集して、かなり右に寄ってしまった自民に対抗する勢力にしたいんです。大平正芳さんの『楕円の哲学』という言葉をいつも頭に入れています。楕円は焦点が二つあって、ときに反発する、あるいは相容れない二つのものが調和しながら併存することできれいな楕円が描けるという。これこそ私が目指す政治の理想です。何事にもバランスだと思います。

 1993年の非自民連立政権(細川内閣)誕生から始まった一つの物語が、2009年の民主党政権誕生をピークにして、2012年の選挙を機に終わったと思っているんです。とはいえ、また自民党に戻るのもなんか違うと国民は思い始めている。いまは、『民主主義2.0』みたいなものが立ち上がっていく黎明期にあるのではないかと思っています」

──「民主主義2.0」とは?

「いま『SEALDs』(安保法案反対デモを行なう学生団体)が注目を集めていますが、彼らのやっていることは70年安保とは違うし、政党が裏にあるわけでもない。彼らに話を聞くと、民主党とか連合とか、みんな『オールドリベラルの方ですね』っていわれるんですよ。

 で、彼らは何に気をつけるかというと、『デモで○○労連とかの旗立てたりするの、止めてくださいね』とかいうんです。既存の政党とかリベラルが古くさく思われていて、我々の側がそういう若い動きについていけていない」

聞き手●藤本順一(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2015年8月21・28日号

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