さらに、高速道路、高速鉄道、港湾、空港などのインフラ整備もほとんど終わった。しかも中国経済が減速しているため、そういうインフラを建設してきた国内の鉄鋼、機械、鉄道車両、セメントなどの各メーカー、そして建設会社、デベロッパーなどを含めた「巨大マシン」が、突如停止しつつある。巨大マシンが設備過剰で崩壊すれば、国家そのものが破綻してしまいかねない。

 だから中国は「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を創設し、それらの企業を労働者も含めた“人馬一体”で海外に持っていこうとしているのだ。しかし、海外のインフラプロジェクトはアセスメントだけで数年かかるから、中国経済の現状打開には全く間に合わないだろう。

 このように見てくると、中国経済には明るい話題が何もないことがわかる。政府としては不動産よりも株のほうがコントロールしやすいと考えて不動産バブルから株バブルに持っていったのかもしれないが、今や政府もコントロールできない状況なので、この先、中国経済に何が起きるのか、全くわからない。

 株価というのは「企業が将来得べかりし利益の現在価値」である。成長の鈍化した中国で年間150%も上昇してきたことが、そもそもおかしいのだ。いま中国の金持ちたちは一斉に資産を海外に移そうと躍起になっている。習近平国家主席のお手並みを拝見するしかないが、予測不能の領域に入ったことは間違いない。

※SAPIO2015年9月号

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