投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が8月31日~9月4日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみあいか。米利上げ時期が9月から後退するとの観測が強まっており、期待先行の相場からはトーンダウンしそうだ。年内利上げ方向を背景にドル買いは続くものの、中国経済の不透明感で積極的なドル買いは手控えられる見通し。4日の米雇用統計が予想を大幅に上回らないと9月利上げへの期待は盛り上がらないとみられる。
【8月米雇用統計】(9月4日)
米連邦準備制度理事会(FRB)が雇用情勢を最重要視していることから、9月利上げの有無についての最後の見極め材料となりそうだ。市場予想は+21.8万人程度。非農業部門が20万人以上の増加ならば、まずまず良好と言えそうだが、予想通りであれば、9月利上げの可能性が高まることはないとみられている。ただし、市場予想を大幅に上回った場合は9月利上げ期待が再燃し、リスク選好的なドル買いが強まる可能性があるので注意したい。
【20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議】(9月4日-5日)
9月4日~5日にトルコ・アンカラでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催される。市場参加者の間では今回のG20会合では、中国やブラジル情勢が議題に上るとの見方が出ている。米国の金融政策(利上げ)について議論されるとの声も聞かれているが、中国経済の現状や今後の見通しに関する中国側の見解が注目される。内容次第では主要国の株式相場や主要通貨の動向に大きな影響を与える可能性がある。
8月31日~9月4日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。