「先にお話ししたように、『つきまとい等』のうち、法律で処罰されるストーカー行為といえるためには、『つきまとい等をして不安や恐怖を覚えさせること』が必要だからです。堀北さんが自分の安全、平穏、名誉を害されたり、自由が害される程の不安を覚えるような方法でなければ、問題にはなりません。山本さんと堀北さんは、これまでの共演で仕事上の信頼関係もあるので、不安を覚えるまでには至らなかったと考えることも十分可能でしょう」(深澤さん)
つまり、山本がイケメンだから許されたのではなく、山本が堀北と共演経験がある有名人だから許されたというわけだ。もし有名人ではない一般人が、堀北に対して山本と同じようなことをしたら、たとえイケメンであっても堀北は不安を覚えていたことだろう。そうなればストーカーとして逮捕される可能性もある。
では、一般男性が一般女性に対して、山本と同じことをした場合はどうか。お互い知っている者同士、例えば職場の同僚女性に対して同じようなアプローチは許されるのだろうか。
「絶対にやらないほうがいいですね。今回はお互い有名人であるということが、法的に“ギリギリオッケー”といえなくもないポイントです。芸能人というのは、普通とはちょっと変わったことをするから有名になれているわけで、私は山本さんの性格を知りませんが、今回の山本さんの行為もいってみれば”芸風“みたいなものなのかもしれません。山本さんがそういうキャラクターだとしたら、そういうことは堀北さんもわかっていると思います。
また、山本さんは世間に顔も名前も知られているので、そんなに著名人がそうそう変なことをするとは考えにくい。厳密にいえば、バラエティー番組のドッキリ企画で、突然上から水をかけたり、落とし穴に落としたりするのも、一般人に対してやれば犯罪ですが、お互い有名人だから問題にする人はあまりいないでしょう。お互い暗黙の了解がある上で人間関係が成り立っているので、有名人同士と一般人同士とでは前提が異なると考えたほうがよいでしょう。
さらに、ストーカー行為は、親告罪といって、被害者が告訴して捜査機関に処罰を求めなければ、犯罪が成立していても処罰はされません。本件では告訴がなかったはずですから、少なくとも処罰はあり得ない、ということになります。要するに、私が言いたいのは、大事なのは顔ではなくて、その人との関係である、ということです」(深澤さん)
ちなみに前述の2012年のケースでは、一般人がコンビニを訪れて女性店員に手紙を手渡したというものだった。女性店員に不安を抱かせたことが、逮捕につながったのだろう。
山本の行為で一般人が真似できることといえば、強要にならない程度の手紙を相手に書くことくらいか。一般人はくれぐれも山本の成功例に刺激されて真似しないように!