数往復のやりとりを交わし、ついに会うことに。登録から18日目のことだった。指定された鶯谷の待ち合わせ場所に現われた里美は、加藤あい似のスレンダー美女。白と紺の清楚なワンピース姿にセミロングの黒髪がよく似合っている。
興奮を抑えながら、まずは喫茶店に。だが、段々と期待は不安に変わっていく。まず気になったのが彼女の言葉遣いだ。東京暮らしのはずなのに関西弁で「~やで!」と語調も激しい。さらに「はよ、ホテル行こ」と急かしてくる。おいしい展開だが、逆に「おかしくないか?」と不安になる。
“ひょっとして、美人局(つつもたせ)じゃないか”と焦る心を抑えてホテル街へ向かう。彼女は携帯をいじり、誰かに連絡をしている。ホテル街に入ると里美はスタスタと歩き、「ここや」と古びたラブホテルを指差した。
記者は「どこか別のホテルにしていいかな」と提案したが、「そんなのダメや!」と受け入れない。そればかりか、無理矢理ホテルに連れ込もうとしてくる。身の危険を感じた記者は、とっさにその場から逃げた。
考えすぎだったかもしれない……そんな後悔もある。ただ、実際に「出会える」サイトであることはわかった。
※週刊ポスト2015年9月18日号