国内

他人事ではない下流老人 無職高齢者は20年で1500万円の赤字

 近頃、話題になっている「下流老人」という言葉。生活保護を受けるような生活レベルで暮らす高齢者の話は決して他人事ではないのかもしれない──。

 ここで、高齢夫婦無職世帯の家計収支のシミュレーションした結果を見てみよう(総務省『家計調査報告』平成26年より。高齢夫婦無職世帯とは、夫65才以上、妻60才の夫婦のみの無職世帯)。

 まず、実収入は社会保障給付(年金など)で月19万0800円。さらにその他の収入を合わせて、月に20万7347円となる。一方、食費や健康保険料などを含めた支出額は月26万8907円。差し引きすると、毎月6万1560円の赤字となるのだ。

 老後の生活が、想像以上に厳しいことがわかる。主婦向けのライフプランセミナーを数多く開催するファイナンシャルプランナーの山口京子さんが言う。

「夫が65才を迎えて無職世帯になり、その後夫婦で20年暮らすと約1500万円の赤字になります」

 つまり、年金だけではとても暮らしていけないわけだ。それだけではない。

「女性の平均寿命は86才と、男性に比べて6年長い。夫の介護費用や葬式代も出てくるでしょう。単純計算で妻のほうが夫よりも老後費用がかかります。女性こそ下流老人になりやすいんです」(山口さん)

「下流老人」とはいかないまでも、スーパーで見切り品をあさり、夕食はほとんどカップラーメン…なんてわびしい生活にならないために、今後20年でどれだけお金を蓄えられるかが勝負だ。

※女性セブン2015年10月1日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン