国内

2004年にサラリーマンが初めて長者番付首位に立った背景とは

 長者番付は時代を映す鏡だ。〈株・IT長者 目立つ〉──2000年度の長者番付を発表した日経新聞の1面に載った見出しである。

 1990年代末期にアメリカ市場を中心として、インターネット(IT)関連企業への実需投資や株式投資が異常に盛り上がった。いわゆるITバブルだ。日本にも上陸し、多くのIT関連企業が設立され、1999年から2000年にかけて株価の上昇が見られた。

 そんな中、長者番付にもIT関連の株長者が頭角を現わしてきた。

 2000年度には2位になった三木谷浩史・楽天社長(所得税額・18億8611万円)に続いて、3位には孫正義・ソフトバンク社長(同15億8180万円)、4位に宇野康秀・有線ブロードネットワークス社長(同11億8130万円)という顔ぶれがベスト10内に初めてランクインした。

 2001年度は、所有していた消費者金融部門の子会社の株式を売却して300億円超の所得を得た高橋洋二・ユニマットグループ代表がトップ(同68億4115万円)。2002年度には、所有株式の売却益で橋本弘・全薬工業会長が1位となった(同17億510万円)。この全薬工業は、「風邪にジキニン」というフレーズがCMで人気となった製薬会社だ。

 2003年度は健康食品販売業の斉藤一人が1997年度に続いて2度目のトップに返り咲いた(同11億4849万円)。2004年度は「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング社長の柳井正が3位と初めてベスト10入り(同10億8393万円)。フリースなど格安商品がヒットし、「デフレの申し子」などと呼ばれた。だが、同年にそれ以上に話題を集めたのはタワー投資顧問運用部長の清原達郎が1位になったことだった(同36億9238万円)。サラリーマン(給与所得者)で初めて長者番付のトップになったからである。

「ヘッジファンドを運用するファンドマネージャーという肩書きではありますが、実質的には共同オーナーだと聞いています。ITバブル期に新規上場した小型株の中から成長が見込めると判断した銘柄に投資し、それが当たって驚異的な運用実績を上げた。その結果、莫大な成功報酬を手にして長者番付の1位に登りつめた。まさにITバブルの寵児といえます」(マーケットアナリスト・平野憲一氏)

(文中敬称略)

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号

関連記事

トピックス

裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン